坂元裕二の神脚本! 第47回日本アカデミー賞10部門11優秀賞受賞の傑作映画『怪物』DVDが発売
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『怪物』
★坂元裕二脚本ものがお好きな方へ★
そろそろ映画賞シーズンのしめくくり。アメリカではアカデミー賞、日本では日本アカデミー賞、アジアではアジア・フィルム・アワード。それぞれの授賞式が開催されるわけですが、後者2つの賞では『怪物』がノミネートされてるのよね。ということで、おかわり復習。
ある事件をとりまく3人。当事者の母、生徒思いの教師、それに当事者の小学生男子。この3者の視点で事件の前後をそれぞれ描いた「羅生門スタイル」の人間ドラマ。いやはや。改めて観て、なんといっても脚本がすんばらしい。カンヌ映画祭で脚本賞(それとクィア・パルム)をゲットしたのも納得なのよね。羅生門スタイル自体はそれほど珍しくもなければ新しくもない切り口ではあるものの、描かれているそれぞれの人が、まさに今って感じ。シングルマザーの子を思うストレートな気持ちとか、学校の先生の板挟みぶりとか。何度観ても新しい発見があるのよねー。物語の構築がずば抜けてお上手な坂元裕二さん。『大豆田とわ子と三人の元夫』とか『カルテット』とかも好きだけど、映画サイズもさすがでございます。で、これのDVD&Blu-rayがようやく発売になるので、皆さんも観直すときがきた! ってかんじよ〜。うふ。ノベライズもすごいのであわせてどうぞ〜。