蘇った『エンドレス・サマー』にする?『デッドプール&ウルヴァリン』にする? 7月話題の劇場公開映画
サーフ映画の祖が、最高の映像で蘇る
『エンドレス・サマー』
1966年に全米公開され大ヒットし、サーフィン/サーファーのブームを作ったサーフ映画の祖。それが『エンドレス・サマー』(日本では68年公開。邦題『終りなき夏』)。それまでは一部の愛好家によるスポーツだったサーフィンが、カルチャーにまでなったゆえんはこの映画なくしては語れません。そんな名作が、4Kリマスタリングされて、この夏、蘇ります。なんせ海が! 波が! 景色が! 超キレイ!! アフリカ大陸からオセアニア〜ハワイへと舞台を移し、各地の美景と波をとらえたばかりでなく、当時の人々の暮らしぶりをも「え、最近の映像!?」というレベルで観られちゃう。夏にぴったりのドキュメンタリー映画です。
アルモドバルとサンローラン
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』
昨年、カンヌ国際映画祭でお披露目され大絶賛を浴びたのち、東京国際映画祭で特別上映され、公開はいつかと待ちわびた傑作短編『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』がついに全国ロードショー。これ、何がすごいかって、スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督による西部劇ラブロマンスってだけでなく、この作品で初めて映画製作に本格参入した、イヴ・サンローランの子会社「サンローラン・プロダクションズ」による短編。アルモドバルらしい鮮やかな色に彩られた砂漠の街に、サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロの艶やかな衣装が映えるのなんの! 31分の短編なので、サクッとうっとりしちゃって〜。
全世界ほぼ同時公開
『デッドプール&ウルヴァリン』
全世界ほぼ同時公開のマーベル映画、『デッドプール&ウルヴァリン』がまもなくお披露目されます。ネタバレ厳禁が常のマーベル映画だけにオープンになっている情報は限られているけど、この新作はすっごい。これまで“アベンジャーズ”のシリーズには無縁だったはずの、『X-MEN』シリーズの人気ヒーローが合流。ウルヴァリンはその人気キャラのひとり。演じていたヒュー・ジャックマンはこの役から引退したはずなのに、この作品でカムバックしちゃうほどなのよ〜。しかも、今回のお供はヒーロー映画としては異例のR指定がついたヒット作『デッドプール』の主人公。下ネタや猛毒パロディもありな、夏のお祭り映画超大作として震えて待て!
text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2024年8月号より