CULTURE

よしひろまさみち

よしひろまさみち

蘇った『エンドレス・サマー』にする?『デッドプール&ウルヴァリン』にする? 7月話題の劇場公開映画

サーフ映画の祖が、最高の映像で蘇る
『エンドレス・サマー』

1966年に全米公開され大ヒットし、サーフィン/サーファーのブームを作ったサーフ映画の祖。それが『エンドレス・サマー』(日本では68年公開。邦題『終りなき夏』)。それまでは一部の愛好家によるスポーツだったサーフィンが、カルチャーにまでなったゆえんはこの映画なくしては語れません。そんな名作が、4Kリマスタリングされて、この夏、蘇ります。なんせ海が! 波が! 景色が! 超キレイ!! アフリカ大陸からオセアニア〜ハワイへと舞台を移し、各地の美景と波をとらえたばかりでなく、当時の人々の暮らしぶりをも「え、最近の映像!?」というレベルで観られちゃう。夏にぴったりのドキュメンタリー映画です。

『エンドレス・サマー デジタルリマスター版』
story 1963年。当時26歳のブルース・ブラウンが、若きサーファー2人を連れ、セネガル、ガーナなどのアフリカ大陸からオーストラリアやハワイで試みたサーフィンを収めるドキュメンタリー。
監督・撮影・編集・ナレーション:ブルース・ブラウン/出演:マイク・ヒンソン、ロバート・オーガスト/配給:鈴正・フラッグ/公開:7月12日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

『エンドレス・サマー デジタルリマスター版』

アルモドバルとサンローラン
『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』

昨年、カンヌ国際映画祭でお披露目され大絶賛を浴びたのち、東京国際映画祭で特別上映され、公開はいつかと待ちわびた傑作短編『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』がついに全国ロードショー。これ、何がすごいかって、スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督による西部劇ラブロマンスってだけでなく、この作品で初めて映画製作に本格参入した、イヴ・サンローランの子会社「サンローラン・プロダクションズ」による短編。アルモドバルらしい鮮やかな色に彩られた砂漠の街に、サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロの艶やかな衣装が映えるのなんの! 31分の短編なので、サクッとうっとりしちゃって〜。

『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』
story 1910年。旧友の保安官ジェイク(E・ホーク)に会うために砂漠の街にやってきたシルバ(P・パスカル)。彼らは25年ぶりの再会を喜び、酒を酌み交わし、愛し合う。ところが翌朝、ジェイクの態度が一変。シルバが訪ねてきた本当の理由を知ろうとしていた。
監督:ペドロ・アルモドバル/出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル/配給:ハーク/公開:7月12日より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
© 2024 El Deseo D.A. S.L.U. All Right Reserved.

『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』

全世界ほぼ同時公開
『デッドプール&ウルヴァリン』

全世界ほぼ同時公開のマーベル映画、『デッドプール&ウルヴァリン』がまもなくお披露目されます。ネタバレ厳禁が常のマーベル映画だけにオープンになっている情報は限られているけど、この新作はすっごい。これまで“アベンジャーズ”のシリーズには無縁だったはずの、『X-MEN』シリーズの人気ヒーローが合流。ウルヴァリンはその人気キャラのひとり。演じていたヒュー・ジャックマンはこの役から引退したはずなのに、この作品でカムバックしちゃうほどなのよ〜。しかも、今回のお供はヒーロー映画としては異例のR指定がついたヒット作『デッドプール』の主人公。下ネタや猛毒パロディもありな、夏のお祭り映画超大作として震えて待て!

『デッドプール&ウルヴァリン』
story 驚異的な自己治癒能力を持ち、破天荒な性格ゆえに勘違いされることも多いデッドプール(R・レイノルズ)。あるミッションに挑まねばらなくなった彼は、ある人物と接触する。それは、コントロール不能の孤高の英雄、ウルヴァリン(H・ジャックマン)だった。
監督:ショーン・レヴィ/出演:ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン、モリーナ・バッカリン、レスリー・アガムズ、ブリアナ・ヒルデブランド、忽那汐里 ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:7月26日より全国ロードショー
© 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.

『デッドプール&ウルヴァリン』

text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2024年8月号より

CULTURE TOP

WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

SHARE

  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

Pickup

Weekly ranking

VIEW MORE