【独占】LiLy最新刊『オトナの子守唄(ララバイ)』発売記念!単行本書き下ろしを一部特別公開
LiLyによるオトナミューズの人気連載「ここからは、オトナのはなし」が単行本『オトナの子守唄(ララバイ)』として7月12日(金)発売! 連載開始から10年を経てLiLyさんがたどり着いた境地とは。単行本のために書き下ろした一部を特別公開します。
『オトナの子守唄』 LiLy著
~青春より開花する40代、あたらしいオトナ時代~
Introduction
2024年、また、あたらしい夏がくる。
「17の夏」「18の夏」なんて年齢をその夏のタイトルにして謳歌することを決意して夏を迎えた10代の頃の気持ちを覚えている。
「まだコドモなんだから」「もうオトナなんだから」それらのセリフで自由を制限されるのが人生だと刷り込まれていたから、それらの中間である「青春時代」だけが人生の自由時間だと思い込んでいた。
―でも、それは違った。
当時のネガティブなオトナはウソつきだった。
ヒトによるのだ。すべては。自分次第なのだ。
他人に他人の未来がわかるはずがないのだから。
「黙って!」
と思うけれど、今でもまだ聞こえる。
「いやいや、大変なのはこの後だよ」
「楽しいのは今だけだよ」「現実は甘くないよ」
自分の人生に満足していない人の声は常に大きく響くのね。
まぁ、ね。色々と経験してきたから、言う意味はわかる。確かに、ね。「結婚」末期の地獄も「離婚」後の罪悪感も
「育児」の大変さもそれはもう想像以上のものだったけれど、「42の夏」に足を踏み入れようとしている今、私は、10代の頃以上に日々にワクワクしながら「冒険」を続けている。
photo:RK text:MAHO HONJYO illust:ekore
otona MUSE 2024年8月号より