FASHION

あべゆき

あべゆき

香水の店なの? BARなの? 東京・神楽坂に登場したフレグランス【ÉDIT(h)】の旗艦店が唯一無二

ものづくりのルーツは老舗の「朱肉ブランド」の技術と伝統

エディットのファウンダー兼クリエイティブディレクターを務めるのは、葛和建太郎さん。1905年創業の老舗の朱肉ブランド「日光印」を展開する会社の6代目です。「日光印」の朱肉は、落款や書画など、書家の方が完成された作品の締めくくりに捺す際にも使われている、まさに高級朱肉ブランド。原料にもこだわりがあり、一般用の練り朱肉でも鉛、水銀、カドミウムなどの重金属は一切含まず、アジア由来の香料を用いているため、ほのかにいい香りがするんです。

 

 

ハンコを捺すときに使う、朱色のアレ。ハンコ文化があるアジア圏ならではのアイテムです。

葛和さんは大学卒業後に大手レコード会社でプロモーター、ディレクターとして活躍し、29歳で退社。約1年半世界をバックパックで旅したあと、家業を継ぎました。技術と伝統がある老舗ですがこの先100年を朱肉事業だけで続けていくのは厳しいだろうというシビアな課題が立ちはだかり、新規ビジネスを考える中、自社が展開する練朱肉の香料に着目。世界で自社だけが持つこの特徴にフォーカスすれば自分たちにしかできないものが作れるのではないか、と、香水ビジネスを立ち上げたのです。

香水をよく見てみると、なにかに似ている気が……!

紆余曲折を経て現在のエディットの香りを調香する調香師と出会い、オリジナルのフレグランスが誕生。香りはもちろん、ボトルにもものづくりの老舗会社6代目のスピリットが発揮されています。フレグランスの美しいガラス瓶は欧州の高級グラスの製作法でもある、職人が3人1組となって創り出すセミハンドメイドモールディング製。また重厚感のあるキャップは朱肉の容器にもよく使われていた亜鉛を使用。キャップ表面の加工は職人が手作業で仕上げたもので、同じものはこの世にひとつも存在しないのだそう。そして、香水のボトルデザインは印鑑の比率が忠実に再現されているんです。

このキャップを、ひとつひとつ職人の方が磨き上げているんだそう!

細部にまでものづくりのこだわりが散りばめられたのが、エディットのスペシャルなフレグランスです。 

NEXT PAGE

text:YUKI ABE

FASHION TOP

WRITER

ライター あべゆき

ライター
あべゆき

阿部有希_ファッション&トラベルエディター。子どものころからよく訪れていたハワイは渡航回数150回超え(※正直、計測不可)。20歳から年5回のペースで渡航中(パンデミック中の2020~22年は3回ずつしかハワイに行けませんでしたが、2023年からは通常営業)。日本在住ですが、六本木ヒルズへ行くよりもアラモアナセンターへ行くことの方が多い謎のライフスタイル。ハワイ州のドライバーライセンスも保有。ハワイでの過ごし方は、日焼け&新しいお店探し&マノアで犬とお散歩。アメリカメインランドのほか、アジア、国内の旅も好き。だいたい毎月どこかへ旅してます

SHARE

  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

Pickup

Weekly ranking

VIEW MORE