おしゃれの噂話は止まらない
「It BAGを探せ!」PART1
ルイ・ヴィトン/エルメス
ネクストシーズンの様子を探り始めるとき、まず気にするのは「どこにどんな素敵なバッグが登場するか」である。コレクションのテーマが反映されたり、アイコンをアップデートしていたり、“今”がぎゅっと詰まった最新作の数々を、おしゃれトークが尽きないエディターT&Sとスタイリスト古田千晶さんがリサーチ!
【LOUIS VUITTON】
SPEEDY BANDOULIERE 25
スピーディ・バンドリエール 25
長年一線を走り続け、ミューズ世代にとっても抜群に親しみ深い「スピーディ・バンドリエール」の最新作がこちら。デイドリーミング的な儚さをはらむメタリックベースの花柄は、思春期を過ごすティーンエイジャーの部屋の壁紙がイメージソース。どこか回想シーンのようなエフェクトも含め“青春時代のポエティックな世界観を失わずに”という、ニコラ・ジェスキエールによるメッセージの一端が込められたデザインだ。個性を形作る最中の10代のように、身につけたい! と直感的に思えたものを制約なく自由に合わせる。そんなミックス&マッチの概念を大切にした2022AWコレクション同様、このバッグを何とどうスタイリングするのか、発想力と可能性をぐっと広げてくれそうな予感。
【HERMÈS】
BIRKIN 25 ROCK
「バーキン」25 ロック
その響きに誰もがたやすく心奪われてしまう、憧れのアイコンバッグ「バーキン」。久々となる新作は、1930Sバイカースタイルの代表格、メンズのライダースジャケットからのインスピレーション。バイカーと聞くとハードボイルドな佇まいを思い浮かべがちだが、そこはさすがの老舗メゾン。前面2、背面1のポケットでディテールを主張しつつも、至極モダンでデイリーユースにふさわしい仕上がりに。さらに、こちらのサイズ感、やや小ぶりで実は使いやすいとミューズ界隈で好評なのだ。もともと収納力には定評ありのバーキン、日本人にはこのサイズがジャスト! との声も。フラップにさらりと付いた「シェーヌ・ダンクル」のモチーフが、エルメスの貫禄を後押しするツウな演出。
photograph:SHO UEDA / styling:CHIAKI FURUTA / text:NAO MANITA[BIEI] / illustration:AKIKO HIRAMATSU