おしゃれの噂話は止まらない
「It BAGを探せ!」PART2
フェンディ/プラダ
ネクストシーズンの様子を探り始めるとき、まず気にするのは「どこにどんな素敵なバッグが登場するか」である。コレクションのテーマが反映されたり、アイコンをアップデートしていたり、“今”がぎゅっと詰まった最新作の数々を、おしゃれトークが尽きないエディターT&Sとスタイリスト古田千晶さんがリサーチ!
【FENDI】
BAGUETTE
バゲット
1996年と2000年の春夏アーカイブを「過去でありながら今見ても新鮮」と掘り下げ、再構築。創業家の女性たちをミューズに掲げたフェンディ。一過性のトレンドとは一線を画す、色褪せないピースへの敬意が詰まった今コレクションで、注目したいのがこの新作。サッカーストライプを思わせる細ピッチの縦縞模様が放つのは、清涼感とカジュアルさ。そこにゴールドの金具がもたらす、ひとさじのクラス感。今年25周年を迎える、言わずと知れた定番「バゲット」バッグでありながらも、いい意味で仰々しさがなく、ミューズ世代が求めるヌケ感と品格を備えている。TPOを問わず、フレキシブルに使えそうな風貌のこちら。控えめに言って“買い”なのでは。
FENDIGRAPHY
フェンディグラフィー
クラシックなHOBOシルエットをパワフルに刷新させた「フェンディグラフィー」は、バッグの底に意表を突くかのように現れる3Dロゴがとにかくキャッチー。2022SSのデビュー時はレザー、AWでは装い新たにコレクションのメイン素材のひとつであるピエドプールファブリックも登場した。容量十分の三日月形フォルムに加え、小脇にすっぽり収まる円形のアームホール。大胆なデザイン性のみならず、使いやすさや持ちやすさを意識した、高い機能性こそが人気の所以とされるこのバッグ。別売りのストラップを装着すれば、クロスボディとしてハンズフリーにも。アクセ感覚で手首に着けたり、チャームとしてバッグに付けても楽しめちゃう、プレイフルなナノサイズモデルも見逃せない。
【PRADA】
BOSTONG BAG
ボストンバッグ
スムースなパテントレザーを用い、装飾をそぎ落としたミニマルなボストン。この潔さになんだか無性に惹かれるのは、レス・イズ・モアな感覚を身につけた今だからこそなのか。ボリュームについて再考し、新たなフェミニンの形を曲線で表現したというリュクスなバッグ。両サイドのジッパータブの端にあしらわれたアイコニックなトライアングルロゴと、フロントにスタンプされたシルバーロゴが“プラダらしさ”の静かな主張となっているのも大人好みだ。ランウェイでは、意外性のある着こなしや斬新なデザインのアウターにもすんなりマッチ。その懐の広さと実用性が最たる魅力といえそう。
PRADA SYMBOLE
プラダ シンボル
ランウェイでもひと際目を引いたキーピース。黒のカーフスキンのポーチとジャカードのポーチを組み合わせたダブルバッグは、プラダのアイデンティティーを象徴するトライアングルロゴの普遍的なフォルムを着想源にした「プラダ シンボル」シリーズの最新作。単なるダブルフェイスに留まらず、カーフスキンとチェーン、2種のショルダーストラップの着脱により自在にカスタマイズできるマルチWAY。アグレッシブに普段使いできる、まさに今を生きる私たちのためのバッグなのだ。なーんて説明は抜きにしても、この三角フォルムってば、ただ持つだけで可愛い!
photograph:SHO UEDA / styling:CHIAKI FURUTA / text:NAO MANITA[BIEI] / illustration:AKIKO HIRAMATSU