「いろんな流行りを追っても、結局戻る場所は“デニム”」梨花さんのお気に入り【デニム】3選

生涯のバディ 梨花とデニム
「これから何年もかけて自分の肌になじませていきたい。自分の気持ちにデニムをなじませていきたい」と語る梨花のデニム愛。これからもデニムとの運命の出会いの旅は続いていく。
デニムさえあれば
デニムは私の人生になくてはならないもの。どんなに高級な一流ブランドがもしなくなったとしても全く支障なく生きていけるけど、デニムがないと、生きていけない。大騒ぎかも(笑)。
私の場合、好きな服と似合う服の範囲がとても限られていることもあって、デニムをはいていると安心するの。なんだかんだ一番気持ちが落ち着くのがデニムスタイルなのです。いろんな流行りを追うけど、結局戻る場所が私にとっては“デニム”。
最近の定番は、ヴィンテージのリーバイス517、505。オーセンティックな私の永遠の定番。517は、股上は程よい深さで太ももからひざにかけてしぼられていて、裾に向かって広がるブーツカットのシルエットが脚長効果抜群。505はややテーパードで脚が綺麗に見えます。
自分のサイズは24〜25インチぐらいなのですが、リーバイスのヴィンテージのは、あえて30〜31インチぐらいの大きめのサイズを選んでます。裾は切らずにそのままはくのが私のスタイル。デニムは、「自分との相性」と「運命の出会い」だと思っているので、はいて自分にそのままフィットするものしか買わないです。直したり調整しないと、はけないデニムは、結局はかなくなることが多くて。運命の出会いは、「すんなりと自分になじむデニムであるかどうか……」です。
人生で持つべきデニム、私は3種類あればいいかな? と思ってます。ひとつは、リーバイス501、505あたりの肌になじむストレートデニム。もうひとつは、最近手に入れたクロエのデニムのような腰まわりが綺麗めのハイウエストデニム。ジャストフィットの美脚効果が高くて気持ちを盛り上げてくれる自分盛りデニム。出会ったときの嬉しさといったら、もぅ♡ 最後は、リーバイスの517的な脚が綺麗に見えるベーシックなブーツカットデニム。今はその3タイプをヘビロテ中です。
個人的に、リーバイスのデニムは、ヴィンテージが好き。世界中でリーバイスとの出会いを探しています。見つけたときは「やった!」とガッツポーズ。オレンジタブのものが好き。はき込んだ柔らかい味が、年月とともに生まれていく感じに愛着が出るのが、たまらない。新品だと、自分の好きな味がなんだか出ないんです。色は基本的に、ブルーデニムの薄めが好き。ときどき濃いめのノンウォッシュ系や、ブラックデニムをはくこともあります。これからトライしたいのは、色が濃いめのハイウエストのジャストサイズのフレアデニム。ケイト・モスが90年代に着ていたみたいなスタイルがイメージです。今運命の出会いを求めて探している途中……。
今回の撮影は、真夏の暑い日だったので、(私服は)肌なじみのいいNU SWIMのチビTのネイビー × ヴィンテージのリーバイス517 × 白いビーサンという飾らないスタイルで。ベルトは白いベルトに絶賛ハマり中。最近は、今日ショートパンツのコーデで着用したようなサラッとしたシャツにもハマっていて、シャツ × デニムのコーディネートも多いです。シャツの裾を結ぶのが、なんか好き。今日の撮影で一目惚れしてお買い取りしたヴィンテージのグレー系チェックのディオールとブルー系ストライプのサンローランのシャツも、デニムスタイルに合わせて通年楽しむつもり。デニムのときの靴は、スニーカー、ビーサン、ミュール、ブーツにローファー。基本的に季節と気分で選んでます。今はローファーがブームかも。今っぽさは、靴で出すのが好きです。
デニムに限っての話ではないのだけど、服って最初に着たときは似合わなくても、「好きだから絶対着たい」と思ったら、数カ月ぐらいはとにかくどこへ行くにも、究極は寝るときも身に着けてみて。そうすると肌になじんでくるから。多分メイクもファッションも何でもそうだと思うんだけど。何においても、似合ってない時期は必ず誰にでもある。それでも“本当に身に着けたい、似合いたい”と思うなら、何カ月間かは、ずっとやり続けること。自分とフィットしてきたら、そこからじゃない? なじませたデニムと自分の本格的なお付き合いが始まるのは……。
今日改めてインタビュー中に気づいたこと。空間の中にどうやって佇むか? ってことが、“私の思うおしゃれ”だと思っていて。服を着たときの仕草やその空間に差し込む光やムードを含めた状況の中で、どうやってそこに佇むか? それを想像するし、空間を含めたトータルの女性像を作るのがとても好きなんです。毎日のデニムのコーデもそういった“空間の中に佇んでいる感じ”“ここにいるこの人”をイメージして組んでます。自分が空間の中にどう存在するか? リップの色や靴のディテール、髪の毛の動き、デニムのラインやトップスの色も、これから行く空間の中でムードを醸し出し、映えることを大切に考えてます。毎日のファッションを決めるとき、自分のことを“ものすごい引きの絵”で捉えているって最近気がついたの。
毎日たくさんの服やコスメに出会って、自分の鮮度が高まるようにいろいろなスタイルに挑戦しながら、いろんな寄り道をしている最中。自分のよさを一生懸命探しながら……トライ&エラーを繰り返し、結局、最後に戻るのが自分らしいTシャツ(秋冬はニットやシャツ)とデニムのスタイル。これからも何周回っても、またデニムに戻り続ける予感。Tシャツとデニムがあればどこでも生きていけるし、私にとって、一番大事な自己表現だと思ってる。これからもずっと、デニムとの運命的な出会いを楽しみに生きていきます。
胸がきゅんとするブルーデニム
「デニムの薄いブルー最強だねー」と梨花。誰がはいてもしっくりくる綺麗な腰まわりや、それぞれのフィットに合わせた美しいレッグラインが魅力的なTANAKA。
はいていくほどにからだになじみ、柔らかくなっていくので経年変化も楽しめる1本。秋冬の重い素材との相性も抜群。
デニムパンツ¥45,100(TANAKA)、ファーコート¥140,800(クリスティーナ ティ/PR01.TOKYO)、ブラ/スタイリスト私物
程よく細身のひざももまわりから裾に向けてラインをツイスト、広がるシルエットがどの角度から見ても脚を美しく魅せ、脇線が後ろへ流れるようなカッティングが特徴。秋冬のアイテムと相性のいいブリーチカラーで、生地はカイハラ社製のプレミアムデニム。柔らかな風合いのコットン100%の本格的なデニムを使用。TANAKAではデニムパンツを「JEAN TROUSERS」と呼んでおり、ワークウェアだったデニムをよりすっきりとさせたシルエットの美しさにこだわり、ドレスパンツやトラウザーのようにパターンメイキングを行っている。フレア感が旬。
本日はポロニットとキレイめデニムの気分です
1940年代の織り機で再現したヴィンテージライクなデニム。
女性の視点を通して、女性のからだや感性に寄り添ったスタイルを提案するトゥ エ モン トレゾアのフィロソフィーをそのまま反映したデニム。
「キレイめの上品な雰囲気が漂うデニムには、ついついコンパクトなポロニットを合わせたくなっちゃうのよ。そうなってくると、足元はやっぱりローファーよね!
相性バッチリだから。私の制服みたいなスタイルだね」と梨花。
デニムパンツ¥41,800(トゥ エ モン トレゾア/エドストローム オフィス)、ニットポロ¥80,300(フォルテ フォルテ/コロネット)、ローファー¥48,400(セバゴ/トヨダトレーディング プレスルーム)、シュシュ¥5,390(ヘイップ)
ハイウエストのワイドシルエットとフロントに施されたタックがポイント。フロントの1タックが、太ももまわりにゆとりを持たせ、裾に向かい広がるワイドシルエットが、美しいレッグラインを演出。ゴールドカラーのボタンやリベットが上品なアクセント。バックウエスト部分にはアジャストベルトが付いており、フィット感の調節も可能に。トゥ エ モン トレゾアは、スタイリストをはじめとするおしゃれ業界人の愛用者が多いことで知られる超人気ブランド。
ワイドな主張、ドラマティックデニム
「このデニムのドラマティック感いいよねー♡ガチャベルトに合わせるの、なおいいよね♡♡」と現場で盛り上がった美しいディーゼルのデニムのフレアなベルボトムシルエットが、ワイルドかつエレガント。
とにかく脚が長く見えるのが大胆なベルボトムの特徴! はいたら勝手にメリハリのある美脚が手に入った気になれます! 思いきりのいいフレアでブカブカな感じを腰ではくのが今っぽい。
ローライズのデニムには、ベルトを合わせて腰まわりにメリハリをつけるのがオトナの嗜み。
デニムパンツ¥39,600(ディーゼル/ディーゼル ジャパン)、ベルト¥75,900(デアンシェ/S&T)、ローファー¥48,400(セバゴ/トヨダトレーディング プレスルーム)、その他/スタイリスト私物
秋冬コレクションの新型フレアデニム「1970 D-BLEESS」が登場。アーカイブフィットをモダンにアレンジしたスーパーフレアのシルエット。クリーンなウォッシュで、ノンストレッチコットンデニム地を採用しているため、肌当たりが柔らかくて軽く、はき心地も見た目も爽やかな1本。令和の今、こんなベルボトム他にはない!
Profile_梨花(りんか)/1973年5月21日生まれ、東京都出身。1993年のデビュー以来、第一線を走り続けるレジェンドモデル。2014年の本誌創刊時より「COVER MUSE」を務める。出産をきっかけに家族でハワイへ移住、東京との二拠点生活をスタート。現在はカリフォルニア在住。2022年に立ち上げたトータルセルフケアブランド「AKN/R」も好調。
人気記事を見る
この記事の画像一覧
photograph: SAYO NAGASE
styling: MAKIKO ITO
hair & make-up: SAYOKO YOSHIZAKI(io)
model:RINKA
composition & text:MIWAKO SHIOTA
otona MUSE 2025年11月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。