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オトナミューズ編集部

「映画以外の場所で映画を学んでいる気がする」【満島ひかり】ピュアな交友から生まれたパリ撮影

旅でのつながりが生んだピュアな撮影

「ライフイズファンタジー」、そう言葉にする満島ひかり。その生きざまは、「スケール」という概念が存在しないほど広大だ。今回のパリ撮影に至った経緯も、ライフスタイルにしている旅の中で出会った友人たちとの気さくな約束からだった。「一緒にご飯に行こう! と日取りを決めた後で、“ちょっと待って、場所フランスだった”って」と軽やかに笑う。

 

せっかく行くならと、かねてより写真集やジン(自主的な出版物)を作る構想を語り合う仲のフォトグラファー・黄瀬麻衣を誘い、8年ほどの付き合いだという友人の夫・渥美創太シェフが2019年にパリにオープンした一軒家レストラン「MAISON」をロケーションにお願いした。ロゴは映画監督のデヴィッド・リンチが手掛けたという人気店だ。


「リスペクトする夫婦やスタッフのいる大好きな場所。ありがたいことに、ランチの支度時間に1階のサロンで撮影させていただいたのですが、上階にあるキッチンからシェフたちが仕込みをしている音が聞こえてきて、音色がすごく美しかったです」

 

撮影メンバーにはメイクアップアーティストの遠藤弓やヘアスタイリストの前田麻美ら、一流クリエイターが集った。「声をかけたらみんな『いいよ行く行く!』と気さくに応えてくれました」というエピソードに、満島の人望が窺える。そして彼女が纏った衣装は、作家・原田マハとデザイナーの伊藤ハンスによる「ÉCOLE DE CURIOSITÉS(エコール・ド・キュリオジテ)」。毎シーズン、テーマに沿った物語を原田が執筆し、ハンスがデザインを起こすというユニークなブランドだ。


「ハンスとも8年ほど前に知り合いました。メイド・イン・フランスにこだわりつつ、ガラスのビーズで襟を作ったり、フリルに関してはヴィクトリア朝時代の傘を作る技法を採り入れたり、着用したどのデザインにも物語が宿っているんです。服のひとつひとつに名前が付いていて、愛情の深さも好きなポイントです」

 

ここまで多彩で濃い満島の交友術の秘訣は、どこにあるのだろう。


「仕事と絡ませないで旅行に行くことが多いからかもしれません。普段は時間が限られるぶん、出会いも一過性になってしまうことも多くて、自分から時間を作って出向かないとなかなか会えないから。それが嫌で、ここ数年ほどは、“明日仕事がなくなることを怖がらないで旅に出よう”と外に出続けてきました」

 

他者との上辺だけでない絆は、彼女の覚悟の結実でもあった。満島は「映画以外の場所にいる人たちから映画を学んでいる気がする」と微笑んだ。

about ÉCOLE DE CURIOSITÉS

2016年にパリで誕生。ブランド名のÉCOLE DE CURIOSITÉS(エコール・ド・キュリオジテ)は、フランス語で「好奇⼼の学校」を意味する。19世紀後半から20世紀初頭のヨーロッパのスタイルから着想を得てデザインされた服たちは、クラシカルでありながら革新的。細部までこだわりぬかれた丁寧な作りは熱心なファンを持つ。毎シーズン、オリジナルの短編⼩説が制作され、その物語がコレクションの核に。作家・原⽥マハによる物語からインスピレーションを受けたクリエイティブディレクターの伊藤ハンスがコレクションを構築。それぞれの服に命を吹き込むような思いで、アイテムひとつひとつに、名前が付けられている。全ての服がメイド・イン・フランスであるところも魅力。

日本での取り扱い店舗等は公式サイトをチェック!ÉCOLE DE CURIOSITÉSのInstagram

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photograph:MAI KISE hair:ASAMI MAEDA
make-up:YUMI ENDO[eight peace] text:SYO(P20-21)
model:HIKARI MITSUSHIMA coordination:MASAÉ TAKANAKA
thanks:ÉCOLE DE CURIOSITÉS, MAISON BY SOTA ATSUMI

otona MUSE 2026年1月号より

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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