「消費するよりも、滋養していくことを選びたい」スタイリスト風間ゆみえ連載
When time is no longer measured,life begins to feel wider.

時間を測ることをやめたとき
人生はもっと広く感じられる
私はというと、東洋医学と共に学んできた算命学をひとつの手がかりに、未来を大きく描くというよりも、今の自分にとって無理のないエネルギーバランスを確かめるような年の迎え方をしています。からだの感覚も、インスピレーションも、すでに進む方向を知っているようで、今年は不思議と気持ちが穏やかです。
振り返ってみると、10代、20代、30代と、少し大げさに思われるかもしれませんが、人の何倍もの速度で生きてきました。やりたいことが尽きない、という点は今も変わりません。ただ、若いころのそれとは、質が違っています。当時は、目の前に溢れるものをひたすらこなしていく毎日で、立ち止まることも、選び直すことも、振り返る余裕もなく、記憶が抜け落ちてしまうほど、ただ、ただ前へと走り続けていました。40代、50代を迎えたころから、ようやく立ち止まることを覚えました。速さよりも、佇まい。量よりも、エネルギーの質。女性が、無理なく、美しく見える暮らし方をしたいと思うようになったのです。
そして2026年。今年はさらに、少し不思議な感覚があります。自分に飽きてきた、というと言葉は強いのですが、これまでの自分の延長だけでは、どこか物足りない。新しい自分に出会いたい、というよりも、まだ足を踏み入れていない「自分の領域」を、そろそろ歩いてみたい。もちろん、新しく生まれるものも、全て自分の中から出てくるものなのですが、形や質、佇まいが、これまでとは少し違う。そんな予感のする一年です。だから今年は、「何を成すか」よりも、「どう生きるか」。よく言われる「丁寧に暮らす」という言葉にも、少し自分なりの意味を持たせたいと思っています。
photograph : Mari Sarai[CEKAI]
otona MUSE 2026年3月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。







