ヴィンテージショップ=時代を超えて“好き”を集めたセレクトショップ。スタイリスト白幡啓が指南する大人のための名店3軒
最近、下北沢で古着探しに熱中している若者を見て「なんかパッションがあっていいな」と刺激をもらったというおケイ先生。そんな先生が今回訪れたのは、大人が洒落る、大人のためのヴィンテージショップ3軒。ショップごとに即興で組んだおケイ先生のコーディネートは要注目です。
「ヴィンテージショップって言っても
時代を超えて“好き”を集めた
新しいセレクトショップよ」
「私ね、思ってたの。ヴィンテージのお洋服って昔からとても好きだったんだけど、そろそろ自分だってヴィンテージになってきちゃって、ダブルでヴィンテージはちょっときついかなぁって(笑)。でもね、ここ3〜4年ぐらいの間にオープンしたヴィンテージショップって何か違うのよ! 何度か通ったり、取材させていただいたりして分かったことがあるの。今流行りのヴィンテージショップって激動のファッション史を渡り歩いた、おしゃれを知り尽くした人たちが物を集めているの。好きな物へのこだわりはもちろんなんだけど、それを引き立たせるためのちょっとヌケ感のあるアイテムがちゃんとセレクトされているから、そのお店のアイテムだけでもコーディネートが今っぽく決まるのよ。唯一無二のヴィンテージをさり気なく取り入れながらトゥーマッチになり過ぎない大人のバランスができるの。だからヴィンテージショップってひと言で言っても、それはもう全く新しい感覚のセレクトショップなのよ」
1. Witty Vintage(ウィッティ ヴィンテージ)
スタイリストをはじめとするファッション業界人たちが足繁く通うショップ、ウィッティ ヴィンテージ。「この先も残していくべき価値のあるもの」をモットーに、1900年代初頭~80年代のものを中心としてオーナーの赤嶺優樹さんがアメリカから買い付け。バンドTやミリタリー、メゾンまで幅広くヴィンテージが揃うなか、全てに徹底されているのが質と状態のよさ。幾度にもわたる検品や補修を経て店頭に並ぶアイテムは「大人が納得できるもの」を常に心がけているのだとか。他にもショップのオリジナルアイテムやヴィンテージをリメイクしたアップサイクルなども展開。オリジナルアイテムは商品代金の1%を地域の施設に寄付するという取り組みも開始。
2. The VINTAGING(ザ ヴィンテージング)
アパレル会社でバイヤー経験を積んできたオーナーのMimiさんが2020年にオープンしたザ ヴィンテージング。本店は富ヶ谷に位置し、今年2月からニュウマン新宿3Fに2店舗目をオープン。買い付けはフランスやイタリア、アメリカを中心に、あまり年代は気にせず、そのときのムードにあった上質なものをチョイス。リーバイスもあえて501ではなくブーツカットの517を中心に、あくまで大人の女性に似合う、色気と遊び心漂うものを意識。「ときめいたものを着てほしい」というMimiさんのファッションに対する想いが詰まったショップだ。
3. LUIK(ルイク)
三軒茶屋の住宅街にひっそりと店を構えるルイク。ミニマルでモダンな空間は、一見するとコンテンポラリーなセレクトショップと見間違えるほど。アメリカやヨーロッパから買い付けているというヴィンテージは、1980~90年代のものが中心。エッジのきいたデザインや配色、ユニセックスでスポーティなアイテムが豊富に揃い、ヴィンテージでありながらもさり気なくトレンドが感じられるものが目立つ。クリーンなシャツやオールインワン、キレイ色アイテムは大人がサラリと取り入れやすいものばかり。ヴィンテージビギナーにもオススメ。
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photograph:KAORI IMAKIIRE
otona MUSE 2023年10月号より