ヴィンテージショップ=時代を超えて“好き”を集めたセレクトショップ。スタイリスト白幡啓が指南する大人のための名店3軒
最近、下北沢で古着探しに熱中している若者を見て「なんかパッションがあっていいな」と刺激をもらったというおケイ先生。そんな先生が今回訪れたのは、大人が洒落る、大人のためのヴィンテージショップ3軒。ショップごとに即興で組んだおケイ先生のコーディネートは要注目です。
「ヴィンテージショップって言っても
時代を超えて“好き”を集めた
新しいセレクトショップよ」
「私ね、思ってたの。ヴィンテージのお洋服って昔からとても好きだったんだけど、そろそろ自分だってヴィンテージになってきちゃって、ダブルでヴィンテージはちょっときついかなぁって(笑)。でもね、ここ3〜4年ぐらいの間にオープンしたヴィンテージショップって何か違うのよ! 何度か通ったり、取材させていただいたりして分かったことがあるの。今流行りのヴィンテージショップって激動のファッション史を渡り歩いた、おしゃれを知り尽くした人たちが物を集めているの。好きな物へのこだわりはもちろんなんだけど、それを引き立たせるためのちょっとヌケ感のあるアイテムがちゃんとセレクトされているから、そのお店のアイテムだけでもコーディネートが今っぽく決まるのよ。唯一無二のヴィンテージをさり気なく取り入れながらトゥーマッチになり過ぎない大人のバランスができるの。だからヴィンテージショップってひと言で言っても、それはもう全く新しい感覚のセレクトショップなのよ」
1. Witty Vintage(ウィッティ ヴィンテージ)
おケイ先生が着ているフットボールTやディレクターの赤嶺玲子さんがはいているジャージなど、今ユニフォームが熱い! フットボールTシャツ¥15,400、スナップラインパンツ¥25,300、その他は本人私物
ゆったりとした空間に1点1点商品が美しく並べられ、じっくりと買い物ができる。右手前、1930年代のタキシードシャツが人気。
スタイリストをはじめとするファッション業界人たちが足繁く通うショップ、ウィッティ ヴィンテージ。「この先も残していくべき価値のあるもの」をモットーに、1900年代初頭~80年代のものを中心としてオーナーの赤嶺優樹さんがアメリカから買い付け。バンドTやミリタリー、メゾンまで幅広くヴィンテージが揃うなか、全てに徹底されているのが質と状態のよさ。幾度にもわたる検品や補修を経て店頭に並ぶアイテムは「大人が納得できるもの」を常に心がけているのだとか。他にもショップのオリジナルアイテムやヴィンテージをリメイクしたアップサイクルなども展開。オリジナルアイテムは商品代金の1%を地域の施設に寄付するという取り組みも開始。
色とりどりの華やかなドレスに思わず目移りしてしまう。
1点1点表情が異なるファニーなミッキーにキュン♡ リング全身¥38,500、リング顔各¥28,600
ローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイなど、サイズ感のよいバンドTも豊富。左から:¥38,500、¥38,300
オーナーの赤嶺さんが敬愛する“メキシコファッションの母”ホセファ・イバラのロングドレス。¥49,500
【SHOP DATA】
住所:東京都目黒区五本木2-13-1 ・☎︎03-6876-8198・営業時間:13:00~18:00 ・定休日:不定休
2. The VINTAGING(ザ ヴィンテージング)
おケイ先生がこの日着ていたピンクのセットアップに合わせたかのように、ぴたりとハマったディオールのショートジャケット。さすがの着こなしに惚れ惚れ。
まるで新品を扱うセレクトショップのような店構えの富ヶ谷本店。
アパレル会社でバイヤー経験を積んできたオーナーのMimiさんが2020年にオープンしたザ ヴィンテージング。本店は富ヶ谷に位置し、今年2月からニュウマン新宿3Fに2店舗目をオープン。買い付けはフランスやイタリア、アメリカを中心に、あまり年代は気にせず、そのときのムードにあった上質なものをチョイス。リーバイスもあえて501ではなくブーツカットの517を中心に、あくまで大人の女性に似合う、色気と遊び心漂うものを意識。「ときめいたものを着てほしい」というMimiさんのファッションに対する想いが詰まったショップだ。
おケイ先生とオーナーのMimiさん、手仕事が光るアイテムに熱く語るお二人は、最近仕事を通じて知り合う。
アウター¥58,080、ベスト¥14,080、ネックレス¥151,800
Tシャツ¥18,480
色使いや凝ったディテールがヴィンテージならでは。
シャネルのニット※価格未定
【SHOP DATA】
住所:東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿 3F・☎080-7957-2894・営業時間:11:00~21:00・定休日:NEWoMan新宿に準ずる。現在富ヶ谷本店は不定期営業
3. LUIK(ルイク)
ミントグリーンのオールインワンにアウトドアベストをON。ベルト使いが肝! オールインワン¥27,500、ベスト¥16,500、その他は本人私物
広々としたクリーンな店内には、カラフルなアイテムがディスプレイ。国内外からセレクトしたブランドも並ぶ。
三軒茶屋の住宅街にひっそりと店を構えるルイク。ミニマルでモダンな空間は、一見するとコンテンポラリーなセレクトショップと見間違えるほど。アメリカやヨーロッパから買い付けているというヴィンテージは、1980~90年代のものが中心。エッジのきいたデザインや配色、ユニセックスでスポーティなアイテムが豊富に揃い、ヴィンテージでありながらもさり気なくトレンドが感じられるものが目立つ。クリーンなシャツやオールインワン、キレイ色アイテムは大人がサラリと取り入れやすいものばかり。ヴィンテージビギナーにもオススメ。
あらゆるテイスト、色物や柄のアイテムも、おケイ先生の手にかかればものの数分で洒落たコーデが完成。
サンローランのシャツ¥19,800、
パンツ¥14,300
カラフルなプリントが◎。Tシャツ¥12,100
【SHOP DATA】
住所:東京都世田谷区太子堂2-36-9・☎03-5712-3520・営業時間:13:00~20:00、木曜のみ18:00閉店・定休日:不定休
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photograph:KAORI IMAKIIRE
otona MUSE 2023年10月号より