スタイリスト 樋口かほりが提案する
シャツとパンツのバランス学 【前編】
シャツとパンツ、極めてベーシックな組み合わせだからこそ、上手に着こなせたら、真のおしゃれ上手ですよね。そこで今回は、スタイリスト樋口さんに徹底レクチャーしていただきます。今季はまず、シャツはビッグシルエットを基本に、シャツとパンツの着こなしのバランスを一緒に学んでみませんか?
01
トラッドなセットアップに
オーバーサイズのB.D.シャツ。
ネオ90sスタイルに挑戦してほしい!
あえて全体をボーイッシュなアイテムでまとめたルック。ポロ ラルフローレンのこの春の新作、ツイードのセットアップを白シャツと合わせ、トラディショナルに。やや生地が硬めで、ハリのあるオックスフォード素材のB.D.シャツは、胸元や袖口を大きくあけて着崩してもバランスをキープしてくれます。シャツを着慣れない人にこそ、チャレンジしてほしい1枚。襟元のボタンもあえて外すと、レディなムード作りに一役買ってくれます。
02
圧倒的なベビーピンクの愛らしさ!
シャツとパンツを同色で揃えた
オールインワン風が今季のトレンド
毎シーズン胸にキュンキュン来るのがオーラリーのピンク色。甘さのさじ加減が絶妙で、大人になじむ色出しが秀逸。そのピンクを同素材のシャツとパンツのセットアップで。シャツパンツ共に、ラフなフォルムでありながらも、ドレスライクでツヤのあるツイル素材なので、上品さは十分にあります。ピンクを主役にしたいから他のアイテムは無彩色で統一。ドレスやオールインワンにはない、シャツ×パンツだからこそのフレッシュさを楽しみたい。
03
シャツの下にはタンクトップを。
ヘルシーに肌見せしてヌケ感を作る
シャツのレイヤード術。一番簡単なのは、シャツと同色のタンクトップを重ねる、です。このとき注意したいのは、タンクトップの首元の詰まり具合。やや詰まっているもののほうが、下着っぽくならず洒落見えします。ここ重要。そして、シャツのボタンはいつもよりもあけ気味で、がコツ。胸元からちらっとではなく、しっかりとタンクを見せちゃう。あえてレイヤードしてるよ、と分かるように。
04
胸元をあけたいときは
スエットをレイヤードして
STOP! コンサバマダム
胸元をザクッと見せてヌケ感は出したいけど、セクシーさは必要ない、そんなときにはジップつきスエットを上から羽織る技がオススメです。スエットの程よいカジュアル感が、シャツが引き出しがちなマダム度を軽減してくれるんです。色はシャツと同系色で、ワントーンでまとめるとキレイ。初夏まではこんなレイヤードが手軽で使えるはず。
05
悩めるシャツの裾問題!
インもアウトも結ぶも正解。
コツはキレイさを保つこと
シャツを着るときの主要な悩みポイントのひとつが裾問題です。「特に何がダメ、ということはないけれど、どこかピシッとするとか、キレイに見せるポイントを作ったほうがいいかな」と樋口さん。「ジャケットと合わせるなら、インしたほうがキレイ。逆にボトムをショートパンツにするなら、出してしまったほうが大人なムードにまとまりやすい。太めのパンツのときは割と何でも合うので、結んで遊んでも。裾を結んだら、第1ボタンは留めて緩急のバランスを取ったほうが今っぽいかなと思います」
いかがでしたか? 次回はシャツ×パンツに合わせるアクセや小物まわりのバランス術ほか、今季らしいデニム&柄シャツの着こなしをご紹介します。
photograph_TAKAHIRO OTSUJI[go relax E more] / styling_KAORI HIGUCHI[KIND.] / hair & make-up_TOMOKO OKADA[tron] / model_MAYUMI SADA
otonaMUSE 2022年5月号より