LIFESTYLE

フリーアナウンサー 小山瑶の
海外生活 in Germany
Epi.3 「日々発見。日々成長。」

ドイツ・フランクフルト在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。アナウンサー、そしてジャーナリストとしての視点を交え、ドイツの情報をいろんな角度からお伝えして頂きます。第3回目は、ドイツ生活の実態について教えていただきました。

新しい環境に一苦労…
必要なものがたくさん!

気候も風土も日本と全く違うドイツ。日本は日中30℃を超える日が増えてきているようですが、ドイツは上がったとしても日中25℃前後で、とても過ごしやすいです。今の時期は日没も遅く、なんと夜22時まで空が明るいんです。さらに日本は地震大国と呼ばれるほど自然災害が多い国ですが、ドイツは地質学的に地震がほとんど起こりません。 国内の他の都市に比べて第二次世界大戦における空襲の被害が大きかったフランクフルトでは、戦後に建てられた建物がほとんどと言われています。一方で、旧市街の建物は戦前に建てられているものも多く、写真のように中世ヨーロッパを感じさせる風情となっています。

フランクフルト旧市街の中心にあるレーマー広場。切妻屋根が特徴の建物は旧市庁舎。

なんとなくヨーロッパの街の様子は想像できると思いますが、やはり気になるのは家の中ですよね。今回は特別に私の自宅の一部を紹介します。 日本と大きく異なるのは、窓の大きさと数の多さだと思います。ドイツの家やお店にはほとんど冷房が設置されておらず、そのため窓を開けて温度調節しています。比較的風通しの良い構造のためか、意外と想像よりも快適に過ごせています。日本に比べると蚊の数も少ないので、網戸なしでも安心して窓が開けられます。

ドイツの賃貸は家具付きが多く、キッチン用具、洗濯機なども揃っています。

ドイツは日曜日が休息日と決められているので、スーパーや百貨店などの小売店は閉まっています。そのため日曜日は家で文字通りゆっくり過ごす日となっていて、掃除機をかけたり大きな音を立てたりしてはいけないという地域もあるそう。家族で過ごす日としてそれぞれの家庭で食事会を開くなど、ドイツ人は家庭を大切にする人がとても多いように感じます。素敵な文化ですよね。ドイツの好きなところの一つです。 他に大きく日本と異なる点、いちばんの問題は水です。ドイツの水質は硬水。クセのない日本の軟水に慣れていたので、ドイツに来た当初は水の味に違和感を感じました。我が家では、飲み水は一度フィルターにかけて軟水にしてから飲んでいます。料理をする際はあまり気にしていないのですが、硬水で炊いたお米は少し硬くパサっとしているように感じます。

軟水器。スーパーなどで安価で買うことができます。Brita製が一般的。

硬水は肌も乾燥しやすくなります。以前から使っていた化粧水や乳液を日本から大量に持ってきたのですが、水が異なるためか保湿効果が少なく、今は現地のものやオイルを使用して乾燥を防ぐようにしています。他には軟水ヘッドシャワーを愛用しています。これがとても便利。安心してお風呂に入れます。海外で暮らす予定のある人は日本で買って持ち込むことをオススメします。

ionac製のシャワーヘッド。ヘッドを付け替えるだけと、設置は簡単。最低半年に1回は付け替える必要があるそうです。

洗濯をする際も気を付けなくてはいけません。日本では洗剤と柔軟剤の2種類が主流ですが、ドイツではそれに加えてカルキ抜き専用の液体も入れます。ドイツの水にはカルキ(いわゆる石灰物質)が多く含まれているため、これを入れないと洗濯機が壊れてしまいます。そして洗濯にかかる時間が、なんと日本の3倍以上! 自宅には地下にランドリー専用部屋があり、1世帯につき洗濯機と乾燥機が付いているのですが、洗濯する際は洗濯物を持って地下まで行かないといけないのがちょっぴり手間です。 そしてドイツには外干しする人がほとんどいません。外干しした後の太陽の匂い。私はこの匂いがたまらなく好きだったのですが、ドイツではそれが感じられず、日本が時々恋しくなります。

ドイツの賃貸では水漏れによるトラブルを防ぐため、地下にランドリー部屋があるのは一般的だそう。

毎日が探検
新しいものを見つけるワクワク感

足を運ぶ度にワクワクさせてくれるKleinmarkthalle(クラインマルクトハレ)は、1891年から市民に親しまれている食品市場。100以上の店が軒を連ね、マルシェでは珍しい屋内市場なので雨の日でもゆっくりと買い物ができます。ドイツは特に果物と豚肉が美味しいです。

新鮮、地産地消にこだわっていて野菜も計り売り。

そしてドイツといえば、ソーセージは外せませんよね。市場内にある店の1つ、Metzgerei Schreiber(シュライバー)は、ランチタイムになると長蛇の列ができます。本格的なソーセージを計り売りで販売し、パンも付けてくれて3ユーロ弱。お得で手軽に食べられることから人気なんだとか。

この店では茹でソーセージとドイツパンが食べられます。

家から歩いて3分ほどのところにあるREWE(レーベ)というスーパーに初めて行った時に、野菜が一つずつ売られている(計り売り)ということに気付きました。日本では数個の野菜が1つの袋にはいって販売されているのが当たり前でしたが、ドイツではジャガイモ・リンゴ・ナス・きのこなど多くの野菜がそのままの状態で販売されていて、値段表記も1個あたりではなく1キロあたりの値段が表記されています。やっとユーロ表記にも目が慣れてきて、買い物に行くのが怖くなくなりました。 そして、ドイツといったらビール。「水よりビールの方が安い」なんて聞いたことがある人も多いかと思うのですが、実際本当に安いです。朝からビールを飲んでいる人や仕事のお昼休憩にビールを飲む人も。ビール大国と言われる理由がわかります。みんな楽しそうな姿を見ると私までハッピーになります。

野菜以外にお花も販売しています。ドイツもエコの観点からペーパーレスのため、レジ袋はお金がかかります。そしてドイツにはピーマンが売っていません(緑のパプリカならありますが…)。

一歩外に出ると、ドイツ語や英語が飛び交い、全く日本語が聞こえない環境。日本人を見つけると思わず嬉しくなります。これも毎日が探検だからこそほっとする瞬間で、「今日は日本人に会えるかな〜」なんて思いながら街を歩いています。 日本食を販売しているお店に馴染みのある日本語を聞きたくて立ち寄ってしまいます。もちろん、海外ということもあって販売されている物の値段は日本の倍以上します。たとえば、豆腐一丁は3ユーロほど。でも日本の味を求めてついつい買ってしまいます。 フランクフルトには日本食レストランが多くあり、スーパーでもお寿司コーナーがあったりとドイツ人にも和食は大人気。日本料理の美味しさは万国共通ですね。

日本酒も販売されていますがかなり高額。山形時代、美味しい日本酒が豊富に嗜める環境だったのでなかなか手が出せません…日本円にすると5000円は軽く超えます。

私の家から徒歩15分のところに高級ブランド街があります。ドイツが生んだ詩人、ゲーテの名前が付いたゲーテ通りです。ヨーロッパに住んでいる醍醐味の1つは、高級ブランド品が日本価格より安く手に入るということ。ブランドによっては半額以下で手に入り、種類も豊富。女性にとっては天国のような場所です。ドイツ人はおしゃれというよりも機能性を重視する国民性と聞きましたが、街にはたくさんおしゃれな人がいてファッションの参考になりとても刺激的です。

ゲーテ通り。土日になると人で混み合います。

今回は、ドイツの衣食住についてお送りしました。トライアンドエラーの毎日ですが、それをも楽しみながら生活しています。最近ハマっているのは「おうちカフェ」。Delonghi(デロンギ)のコーヒーメーカーを愛用し、アイスカフェラテやアイスアメリカーノ(スーパーには売っていないんです!)を作って飲んでいます。コーヒーのお供は、もちろんドイツのお菓子。ドイツには美味しいお菓子(HARIBO、バームクーヘンなど)がたくさんあります。日本にいる時よりも確実にお菓子を食べています。次回もドイツの最新情報をお届けしますので、お楽しみに! Vielen Dank!

Profile
小山瑶(こやまはるか)/山形県のテレビ局で4年間アナウンサーとして勤務し、今年4月からフリーアナウンサーに転身。(ニチエンプロダクション所属)ドイツ・フランクフルトで勤務するパートナーに帯同。暮らしぶりをS N Sで綴っている。

小山瑶さん instagram

text : HARUKA KOYAMA

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