フリーアナウンサー 小山瑶の
海外生活 in Germany
Epi.4 「ドイツでの休日の過ごし方」
ドイツ・フランクフルト在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。アナウンサー、そしてジャーナリストとしての視点を交え、ドイツの情報をいろんな角度からお伝えします。第4回目は、日本人の小山さんが、ドイツ人の休日の過ごし方を通して感じたこと、発見したことを教えていただきました。
外で過ごすのが大好き!
ドイツのおすすめスポット
段々と暑くなってきたドイツ。日中暑い日は35℃を超え、夏が近づいてきたなと感じる日々。家にはエアコンが設置されていないので、我が家もついに巨大扇風機を購入しました。今年は去年に比べて暑いそうですね。
そんな暑い中でもドイツ人は、外のテラスが大好き。カフェに行ってもレストランに行っても、天気の良い日には必ずテラス席が埋まっています。ドイツの冬は日照時間が短いため、その反動で今の季節は外に散歩に行ったり、ピクニックをしたり、テラスでおしゃべりしたりと外で過ごすことを好むそうです。
現在ドイツ国内では9ユーロのチケットで1カ月間トラムや電車、バスが乗り放題の取り組みが行われているので、休日はもっぱら国内を開拓しています。在来線であれば9ユーロでどこでも行けるので、お得でとてもありがたいです。
そんな取り組みを利用して、最近訪ねてオススメしたいのは、シーズン真っ盛りの「ワインとバラの町」、エルトヴィレ。フランクフルト中央駅から電車で1時間ほどのところにある小さな町です。
日本ではあまり知られていないエルトヴィレには、人気なバラ園があります。ちょうどこの時期、バラ祭りが開催されていて多くの人が遊びにきていました。中世の塔や城壁がところどころに残されていて、可愛らしい街並みと満開のバラが相まって素敵な雰囲気でした。日本のバラ園というと品種などの説明表示があるところが多いですが、エルトヴィレのバラ園はそういった表示はありません。
まるで庭園のような空間には、希少な品種や歴史的にも価値のある品種のバラが植えられていて、豪華な空間が広がっていました。
ライン川沿いに広がるこのエリアには、ワイン畑や醸造所が至る所にあります。白ワインがとても有名で、香りがよくさっぱりとした味わいが特徴なものが多いようです。ライン川沿いにはレストランがたくさん建ち並んでいました。カフェでお茶を飲むようにレストランでワインを嗜むドイツ人はとてもかっこよく、私もそうなれるようにワインを勉強中です。
ハイキング大好きドイツ人
初めての登山を体験
ドイツ人の休日の過ごし方といえば、ハイキングも外せません。天気がいいこの時期は、多くの人がハイキングを目的に外出します。私もドイツ流の休日の過ごし方をしようと、先日電車でフランクフルト中央駅から1時間半のところにあるリューデスハイムでハイキングをしてきました。
リューデスハイムはドイツ有数のワインの産地で、ぶどう畑に囲まれた歴史ある街並みは「ラインの真珠」とも言われているそうです。街の路地にはワイン酒場やワインショップがずらりと立ち並んでいて、昼夜ワインを嗜む人で溢れます。この通りは「つぐみ横丁」と言われ、「世界で1番陽気な小路」と称されているほどです。
白ワインを飲んだらいざ出発! ドイツのハイキングアプリに沿って山を上り頂上に向かいます。その距離約12キロ。町全体がなだらかな斜面になっていて、それに沿う形でぶどう畑が広がっていました。ロープウェイもあるので、乗車してワインを嗜みながらぶどう畑を眺めるのもいいですよね。
山の頂上にはドイツ統一を記念したゲルマニアの女神像があり、そこから見える景色は絶景。このあたりの地域は2002年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。雄大なライン川、斜面に並ぶぶどうの木々、点在する古城。女神が見下ろす様子はまさにこの土地を征服したと言わんばかり。
リューデスハイムでは、毎年8月にドイツ国内でも人気の高いワイン祭りが開催されます。調べてみると、日本人経営のワインショップもあり、日本で流通していないものを積極的に取り扱っているので、わざわざ日本からワインを求めて来独する方もいるそうです。
今回はドイツ人の休日の過ごし方と共に、この季節に訪れてほしいオススメスポットをお送りしました。日本でも海外渡航におけるコロナ規制が緩和されてきたと報道されていますね。読者の方々にドイツへ遊びに来る方がいればぜひ参考にしていただきたいと思います。
ドイツに住んでいると他の国ばかりに目がいってしまいがちなのですが、改めてドイツは魅力溢れる素敵な国だと実感することができました。ドイツといったらビールと皆さん思いがちですが、実はドイツのワインもアツいんです! 日本でドイツワインを見つけたらぜひ飲んでいただけたらその魅力が伝わるかと思います。ぜひ挑戦してみてくださいね。
Vielen Dank!
text : HARUKA KOYAMA