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読書の秋に訪れたい。スタイリスト風間ゆみえが案内する『ブックホテル松本箱根』

ニット¥174,900、スカート¥399,300(共にザ・ロウ/ザ・ロウ・ジャパン)

今月の連載は、長野県松本市、浅間温泉の旅館再生プロジェクト「松本十帖」により、7月にグランドオープンしたばかりの宿「ブックホテル松本本箱」からお届けします。 親愛なるotonaMUSE読者の皆さま、この記事が配信されるころには街も秋色になっているでしょうか。 今私は、秋の始まりを告げるような、窓から流れ込む微風に頰を撫でられながらも、まだまだ残る蒸し暑さに汗ばみながら、この原稿を書いています。最近は引っ越しの準備をするため、家もオフィスもとにかく荷物を減らそうと断捨離に励んでいました。 整理を進めるうちに次々に現れる、「気に入っているからいつか着るのよ」と2、3年も袖を通してあげてない服や、いつまでも出番のやってこない靴たち。見ていると惜しくなるので、目を瞑って(笑)手放しました。 そして部屋の中でもかなりのスペースを占める大量の本を、友人の経営する牧場を訪れる人たちに見てもらおうと送り、大きな本棚も処分。でも、後になってふと、あの本どこ行ったからしらと探したりして。本というのは、手放した後に意外と思い出して見たい、読みたいと思ったりするものなのです。そんな私が、先日出かけた“松本本箱”をご紹介します。  
この場所は、「私、ここになら軟禁されても3カ月は無理なく楽しめるわ!」と言い放ってしまうほど、知的好奇心を刺激するような本や、美意識高まる美しい写真集など多種多様なセレクト本が溢れているホテル。迷路のように入り組んだ室内を通り抜けると、ボールプールが楽しめる子ども本箱の部屋、洋書をメインに集めたオトナ本箱の部屋などが出現。そのところどころに並ぶ好きな本を手に、おこもり書斎で読書タイムを楽しむことができます。 どのエリアにも本好きな私にとって読んで見たい本があり過ぎて、1日の滞在だけではとても時間が足りそうにありません。そんな思いを見越してか、当初、スケジュールの都合で1泊にするわと言う私に、1泊じゃ楽しめないよと、スケジュール調整を強要してくれた友人に感謝(笑)。結局2白3日の滞在になりましたが、それでも名残惜しくなり、こうして2週間後にまた訪れることになったのです(笑)。 今は、家を建てたいと考えているので、まず手に取ったのは建築やインテリアの本。そのページを夢中になってめくり、壁や床のテクスチャー、大きな窓、美しいタイルなどに目をきらめかせ、わくわくしながらイメージを膨らませることに。そして、数冊購入したいと思うなかから厳選して2冊を購入。あ、そうそう、もう1冊、『THE SWIMMING POOL』という、なんと1800年代のプールや(200年の前のモノクローム写真をこんなにキレイに見ることができるなんて驚き!)、ルイス・バラガンの邸宅のプールなど、建築も楽しめる(カバーの写真もいい!)写真集も購入しました。
そうして本を手に取りながら、私はさまざまなインスピレーションや疑似体験や、知識、感覚を養い、楽しみを与えてくれる本が好きなんだと改めて実感。今はペーパーレスが主流になってきている時代ではありますが、ページをめくるときの紙の質感や匂い、美しい装丁にもやはり心惹かれるのです。 断捨離でだいぶ手放したとはいえ、それでも私のデスクの横にはまだ積読本が山積み。でもこれらはまたいつか、読みたいときにそこにあってほしい精鋭たち。本棚に目を移せば脳を活性化してくれそうな本ばかりだからです。私は常々、探したいテーマを意図して本を手に取るのではなくて、ふと視線を向けた本棚に刺激され、新たな思考が生まれるようにと思っているのです。 今回訪れた学問の街、学都とも呼ばれている松本。そして浅間温泉の街並みは、古びた家のコーナーがアーチ形の扉になっていたり、古い看板がいい味を醸し出したりしているような、とてもフォトジュニックな場所でした。お散歩がてら、松本本箱の近くにあるカフェ「哲学と甘いもの」に出かけてみるのも楽しそうです。 読書の秋、ゆっくりとひとり旅をしてみては?
ブックホテル松本本箱 公式

photograph:HIROKO MATSUBARA / special thanks:BOOK HOTEL MATSUMOTO HONBAKO

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