フリーアナウンサー 小山瑶の海外生活 in Germany Epi16「ドイツの芸術にふれよう!」
ドイツ・フランクフルト在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。ドイツで2回目の春を迎えるとあって、これまでよりも「ドイツに住んでいるからこそ! フランクフルトにいるからこそ!」な情報を伝えてくれます。今回は、ドイツの芸術について。期間限定で行われているアートイベントのほか、オススメの美術館などを紹介します。
現代のアート
デジタルで名作を?
ドイツは日本に比べてまだまだ寒い日が続いていますが、庭の草木や花が彩りを見せ始め、スーパーに苺やシュパーゲル(ホワイトアスパラガス)が並んでいるのを見ると、「春だな〜」と感じるようになってきました。それと同時に本格的な花粉の季節が到来すると思うと、少し憂鬱ですが…… そんな春を感じつつある今回は、今まで取り上げてこなかった、芸術についてふれたいと思います。
まずは目を引く期間限定のアートイベント《GRANDE EXPERIENCE Van Gogh Alive》。本イベントは、誰もが一度は目にしたことがある、ダイナミックなヒマワリの作品で有名なゴッホをメインに構成されたイベントです。代表的なヒマワリの作品をはじめ、ゴッホのアート作品を現代アートやデジタルアートによって視覚的に楽しめるよう、さまざまなな形で展示されています。
私が訪れたのは平日でしたが、多くの家族連れや学生など、さらには学校行事や大学の授業などでも利用されることもあり、賑わいをみせていました。
見どころは、作品の数々が音楽に合わせて投影されるデジタルスクリーンショー。日本でいうお台場にあるteamLabに近いかもしれません。新たな形でゴッホの世界観を感じることができ、自然と見入ってしまいました。ゴッホが描いた桜の花に似た『花咲くアーモンドの木の枝』に合わせて、日本の合唱曲「さくらさくら」が流れている時間は、まるで日本にいるかのような感覚になりました。日本芸術からインスピレーションを得ていたというゴッホ。作品の中には、日本の浮世絵を真似たような絵がたくさんありました。
意外と知られていない!
フランクフルトの芸術の魅力
フランクフルト市内には50近い美術館があります。4年前からThe Frankfurt Art Experience、いわゆるArt Walkという、市内にあるアートギャラリーを専門ガイドと共にめぐるイベントが開催されています。なんと国内外から1万人以上の人が訪れるほど人気があり、ドイツ国内でもフランクフルトは知られざるアートの街だと、今注目を集めています。
そんなフランクフルトでは、美術館や博物館が無料開放される日があります。毎週最終土曜日が無料開放日の対象(8月、12月は除く)で、入場料無料に加えて、子ども向けのワークショップやツアーも開催されています。誰でも気軽に街中の美術や芸術に触れられる、よい機会だと思います。
ドイツでは日曜日がある意味、休息日。スーパーや商業施設は開いていません。そんなときだからこそ日曜日は芸術に触れる日と決めて、家族みんなでお出かけをするのもドイツならではの過ごし方かもしれませんね。
最後に、フランクフルトを代表する最も歴史のある美術館、シュテーデル美術館をご紹介したいと思います。1815年に設立されたこの美術館は、3000以上の絵画、660の彫刻作品、5000以上の写真など、10万点以上の作品が展示されています。なかには、かの有名なフェルメールやレンブラントの作品もあり、見所も満載です。2015年には設立200周年を迎え、展示品の種類の拡大やデジタルアートスペースを設けるなど、現代向けに変化をし続けている美術館でもあります。
私の感覚かもしれませんが、海外の美術館は施設内にカフェが併設されているところが多いような気がします。シュテーデル美術館にもカフェが併設されており、美術館のカフェはどこかゆったりと過ごせてしまう不思議な空間のように感じます。
今回はドイツの芸術面についてご紹介しました。ドイツに来てからまもなく1年が経とうとしていますが、それでも美術館めぐりは未挑戦。せっかくドイツにいるんだから! と思っても、なかなか行動に移せないのが現状……。皆さんによりよい新鮮な情報をお届けするためにも、いろんなところに足を運んで知見を増やしていきたいと思います!
danke!
texte : HARUKA KOYAMA