フリーアナウンサー 小山瑶の海外生活 in Germany Epi17「ドイツの温泉施設に潜入!」
ドイツ・フランクフルト在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。ドイツで2回目の春を迎えるとあって、これまでよりも「ドイツに住んでいるからこそ! フランクフルトにいるからこそ!」な情報を伝えてくれます。今回は、ドイツの入浴文化について。実はドイツは日本と並ぶ温泉大国だった!? 驚くべき温泉施設の内部に潜入。普段なかなか見られない新たなドイツの文化をご紹介します。
実はお風呂好き?
日本と違う文化に衝撃!
空前のサウナブームの昨今、“サ活” “整う”といった類の言葉をよく聞くようになりましたよね。そんななか「ドイツには温泉やサウナがあるのかな?」と思って調べてみると、たくさんあることが判明。日本人としては行ってみなければ! と思い立ち、先日足を運んでドイツ流の温泉を体験してきました。
ドイツには日本のようにお風呂に浸かるという文化はなく、シャワーのみ。こうした背景があるからこそ、多くのドイツ人が日本の話になると、必ず「I love ONSEN」と口を揃えて言います。温泉はからだにもよいですし、最大のリラックスタイムですよね。日本にいたときは、週1回は温泉に入るくらい大好きだったのですが、ドイツに来てから全くと言っていいほど湯船に浸かれていなかったので、とても恋しく思っていました。
日本の温泉! とまでは言えませんが、フランクフルトから電車で30分ほどのBadhomburg(バートホンブルク)にある入浴施設、Taunus Therme(タウヌステルメ)で温泉感を味わってきました! 地名にあるBadはドイツ語で温泉地を意味します。バードホンブルグは、19世紀半ばから温泉業が興り、カジノの建設により大いに利益をあげたこと背景に、国際的にも有名な温泉保養地になったそうです。ドイツで温泉保養地のことをクアハウスと言いますが、日本で聞いたことがあるのではないでしょうか。実はドイツ発祥の言葉でもあるんですよ。自然の力(温泉)を借りて、健康増進を行う場所や施設のことを指します。
入るとすぐ男女混合の更衣室があります。男女混合!? とびっくりして、ドイツ人に混合で合っているのか聞いてしまいました。
施設内は非常に広く、温泉エリア(水着着用)とサウナエリア(水着着用禁止)に分かれています。
温泉エリアはジャグジーや流れるプールのような温泉も屋外にありました。温度は30℃前後と、日本でいう温水プールのような温かさでで、大人から赤ちゃんまで幅広い世代が集っていました。残念ながら、お湯の成分に特徴はないようでした。
男女混浴⁉
水着着用禁止⁉
思わずこのタイトルに衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。嘘ではなく、本当です。ドイツのサウナや入浴施設では、男女混浴で水着を着用せずに入るという、日本の温泉のイメージを覆す驚くべき文化があります。
サウナの中では男女・年齢関係なく、全員が真っ裸! 日本を離れる前からこの文化を知っていたのでドキドキはしつつも、いつか挑戦したいと思っていたので念願の夢が叶いました。入る前は少し渋ってしまう自分がいたのですが、時間が経つにつれて環境に慣れてきて恥じらいなどは全くなくなっていました。不思議です。ただ、運よく? 日本人がいなかったからかもしれませんね。
中央に赤くなっているのが、岩盤浴のできるベッド台。30度ほどのあったかい板が張り詰められていてその上で横になって寝るというのが定番スタイルです。
比較的ドイツのサウナは熱すぎないのが特徴で、最高で50℃でした。ドイツのサウナでは「板に汗をつけてはならない」というルールがあるそうで、タオルをしっかり敷いて腰をかけることが徹底されています。ドイツの入浴施設を利用される方は、バスタオルとビーチサンダル、水着は忘れずに!
おまけですが、街にはラングラフェン城があり、ウェディングフォトを撮るカップルや多くの観光客が訪れていました。14世紀には要塞として活用されていたそうです。このお城の庭園には鮮やかな花や巨大松があったりと見どころ満載でした。
今回はドイツの温泉に潜入しました。国内で最も有名な温泉地は、ヴィースバーデン。ヨーロッパで最も古い温泉地と言われています。クアハウスの中にはカジノがあり、なんと世界で最も賭けられるルーレットがあるそうです。ドイツの温泉は日本の温泉と違って、王族貴族や文化人の社交の場であったともいえます。温泉ひとつをとっても全く違う文化に驚きます。ぜひちょっぴり不思議なドイツの温泉を感じてみてはいかがでしょうか?
Danke!
text : HARUKA KOYAMA