「まとまり過ぎていない違和感のある空間が好き」照明がアクセントになった、インテリアスタイリスト・守 真史のDIYホーム

大好評だった部屋取材第一弾から早2年。今回もミューズ界隈のとびきりのおしゃれハウスを発掘してきましたよ! 十人十色の個性溢れる部屋模様。インテリアの参考に隅々までチェックしてくださいね。三人目はインテリアスタイリスト・守 真史さんのご自宅を拝見!
Living
デザイナーズをアクセントに
自分たちで作り上げる家

リビングの主役は守さんがDIYで自作したシェルフ。L字形にするために、窓をひとつ潰して作ったとか! 洋書やオブジェのほか、目を引くのは割れてしまったシェード部分も自作したというFontanaのランプシェード。「カラーライトを取り入れるだけで、非日常感が出て、部屋のイメージがぐっと変わります」
Entrance
玄関で優しく柔らかな光でお出迎えしてくれるのは、イサム・ノグチの「AKARI」。ドアには、家族写真で作った年賀状が歴代分ずらり。家族の仲のよさがうかがえるフォトギャラリー。
設計士である奥様と「いつか家を作りたいよね」と話していたという守さん。都内でリノベーションすることを前提にマンションを探していたときに出会ったのが、今住んでいるヴィンテージマンション。
「決め手はなんといってもテラスからの眺望。天気がいい日は富士山も見えるんです。さらに家作りをしたい僕たちからしたら、スケルトン物件は願ったりかなったりで。すべてがぴたりとはまった感じがして、家探し一軒目にして即決してしまいました(笑)」。
Dining
ダイニングからテラスまでを通り抜ける風、光、空気を感じていると、都内にいることを忘れてしまいそうな開放感。テーブルの上右にある照明はPlateau-476。穴のあいたアクリル板にガラスシェードをはめ込む場所によって、表情の変化が楽しめる。
リビングダイニングと同じほどの広さがあるテラスには、オージープラントが並び、どこか南国のような空気感も漂う。家の中でアクセントになっている照明は「アートに近い」という。国内外のデザイナーがデザインした照明は、たしかに印象的なものが多く、彼がこだわる「まとまり過ぎない違和感」を演出している。
Bed Room
リビングとベッドルームをルーバーで仕切ることで、程よく暗くなり、エアコンの風も通すため、快適に過ごせるそう。天井にはライトはつけず、低めの位置につけることでリラックス空間に。
Work Space
家で仕事をすることも多い守さん。建築に関する本や資料を収納するシェルフは、デザインの巨匠として知られる、ディーター・ラムスが手がけるヴィツゥのものを設置。
家具は買うこともあるけれど、自分でデザインして発注することもあるそう。「ダイニングテーブルやキッチンも発注して作りました。自分で作れそうなものはDIYしたりもします。妻と一緒に次はこうしたいよねって話しながら、家のことを考えているときが楽しいんです」と終始にこやかに話す守さん。インテリアを仕事にしている二人にとって、家はある意味実験場。次のプランも決まっているそうで、今から楽しみだ。
My Idea!
遊び心がアイデアに繋がる世界中のものをディスプレイ
ワークスペースの棚は、仕事道具のほか、フランスの蚤の市で購入したグラスやオブジェ、アート、おもちゃなど、さまざまなものが置かれた宝探しのような空間。「仕事に直接関係がないものでも、それらを見ているとアイデアに繋がることもあるんです」
1SLDKの間取り図
守 真史/インテリアスタイリスト。最近では器のブランド「MORI」のコンセプターも務め、気取らずデイリーな食事に寄り添う使いやすい食器に注目が集まっている。
次回は、フォトグラファー・須藤敬一さんの自宅をご紹介します。お楽しみに!
photograph:HISASHI OGAWA / text:MIHOKO SAITO / illustration:MIO YOSHIDA
otona MUSE 2023年8月号より