自然の生み出す美しい造形で、インテリアをブラッシュアップしてくれる植物。フレッシュなエネルギーやカラフルな色彩、香りを、風水的にもベストな位置にセンスよく飾りたい。そのテクニックを、占術家・暮れの酉さんとフローリスト・渡邉直子さん、2人のプロに聞きました！

「風水というと、五行説に基づくいろんな決まり事があるゆえ難しく思われがちですが、要は日常を楽しむための知恵なんです」。そう語るのは、占術家の暮れの酉先生。日々の生活に潤いをもたらしてくれる花やグリーンを、風水の観点からインテリアにどう取り入れたらいいか分かりやすくご指南くださいました。

「まず視覚的に受ける印象というものを風水では重視するんですね。いつも目にするものから気持ちがチューニングされる。だから、方角も大事なんですが見目麗しい花々やグリーンなどは基本的にリビングルームのテーブルや本棚など、一番目につくところに配置するという認識でいいと思います。そこに風水の知識をちょっと取り込んで、必要なエネルギーを求めてみる。望む運気によって生けるお花や花器のデザインを変えていくだけであれば、風水も身近に楽しめるのではないでしょうか。

たとえば出世を願うときは燃え上がって上昇していく火を表す三角のシェイプ、金運を上げたいときは丸い形を意識。丸いお花を用いたり、丸みを帯びるように生けたり。そして対人関係を良好にしたいときは、水のエネルギーを持つ流線的なシルエットがいいとされます。水のようにしなやかに、誰にでも合わせられるという解釈から。逆に真っ直ぐ伸びる観葉植物などは、生命力がすくすくと上へ伸びていくイメージで健康運の象徴に。家族の円満、安定を望むなら、大地を表す四角形。お花を四角く飾るのはさすがに難しいので、ここは花器で調整を！」

形ベースということであれば、アレコレと難しいことを考えず、直感的に花やグリーンを選べるので嬉しい限り。でもやっぱりＮＧ事項は気になってしまうところ。ドライフラワーはあまりよくないと聞いたことが……。

「たしかにドライフラワーは枯れたものなので、風水の世界では死の象徴として駄目とされる説もあります。でもそうなると、木の家具は？という話になり、ドライフラワーだけ忌み嫌うのは疑問です。逆に本来であれば消えていってしまうものに“保存する、留める”という力が備わったと捉えれば、ドライフラワーも金運ＵＰに。止めてくれるんです。余計な出費を。さらにリースであれば丸形ということで相乗効果も期待できます。そして、飾る場所は西のエリアへ。西といえば太陽が入る方角なので。方角は太陽の動きで意味を成していて、陽が出てくる東は何か新しいことを始めるとき、陽の当たる南は認められたいとき、そして北は冷静さを保てるという意味合いから勉強に集中したいとき、それぞれの箇所を植物で彩ると吉をもたらしてくれると考えます。細かく八方位で見始めると複雑になってくるので、とりあえず東西南北の意味をおさえるだけでいいです。風水はアレもコレもと欲張ってごちゃごちゃさせると、逆に運気ダウンになってしまうのでご注意を。とにかく大事なのは、自分が心地よく感じられるかどうか。形や色を少しだけ意識しながら、あとは直感で惹かれるものを！ それこそが心理的に求めているエネルギーだったりするんです」

玄関は方角にかかわらず運気全般を表すので、まずスッキリさせておくことを心がけて。背の高い植物などは置かず、空気の通りをよくし、臭気がこもらないようにすること。植物を飾るとするならアロエやサボテンなど、邪気を払うとされるトゲのあるものや葉がギザギザしたものを。あとは気分を上げてくれる香り立つ花を一輪だけ飾るのもよく、ポプリやディフューザーも効果的。白いお花は中国の風水で“魔を断つ”ともいわれている。

すくすくと真っ直ぐ伸びる木やお花の様は、生命力を感じさせ、健康運を上げてくれるシンボル。時計の横に置くと、自分の進みを止める邪魔者がいなくなるという組み合わせになるんだとか。また、テレビやオーディオなど音の出る家電との相性もいいとされ、木のエネルギーを増長し、成長・発展に期待が！

“丸”は豊かさ、満たされた状態を表し、金運を上げる形として期待されるので、生け方や花器で丸みを強調。さらに金を生み出す“土”の属性である黄色の花は白い花と組み合わせることで、よりそのパワーを発揮。白単色では刀のような強さを持ち、腐れ縁を断ち切ったり、気持ちをリセットさせたり、魔除けの意味も。黄色とセットなら金運、ブルーとなら知性、と他の色との組み合わせで性質を変えることからキーカラーに！ とにかくパワーが強いため勝負事にもいいけれど、寝室に飾るのは避けて。また、金属製の花器を使うのも◎。

次回もお楽しみに！