結局どんな症状があるの? 30代から知っておきたい更年期 基本のキ
30代から知っておきたいオトナミューズ更年期講座【Q&A編】
いずれは誰もが通る道、更年期ー実はプレ更年期も含めると、30代後半から徐々に突入し始めている? そこでドクターに直撃!更年期の正体やミューズ世代が今から取り組んでおきたい対策をたっぷりとうかがいました。
【Q&Aで解説】
把握しておきたい更年期、基本のキ
実は30代後半から女性ホルモンの分泌量は少しずつ減少し、からだは静かに変化し始めている。基本知識をQ&Aからスタディ!
Q.更年期症状には具体的にどんなものがありますか?
A.ほてりや発汗、動悸のほか、イライラするなどのメンタル症状も
「代表的なのは脳の視床下部が異常をきたし、血管が拡張するせいで起こるホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)。動悸やめまいも自律神経の乱れで起こるのではないかと考えられています。イライラや不安感、疲労感、不眠に悩まされる人も。また、エストロゲンの減少によって肌や膣が乾燥するほか、ドライアイ、ドライマウス、薄毛、記憶力の低下など、さまざまなマイナートラブルが起きやすくなります。ただその多くには細胞の老化も関与している可能性が高く、決して更年期のせいばかりとは言えません。さらに動悸がする場合は心疾患などの心配もあるので、自己診断は禁物です」
Q.「更年期障害」は誰でもなるのですか?
A.「~障害」にまでなるのは少数。男性でも発症する人が!
「一般的な更年期症状を超え、日常生活に支障をきたすほど強い症状が出る『更年期障害』になる女性は2割以下とも。あまりナーバスにならなくてOKです。男性は精巣から分泌されるホルモンの量が穏やかに減少するため女性よりも発症する人は少数。ただうつやEDなどの症状を訴える人は増えています。男性の場合は泌尿器科を受診します」
Q.PMSが辛いです。更年期症状も出やすいタイプですか?
A.PMSと更年期症状にはリンクしている部分もあります
「PMS(月経の3〜10日前に起こる、イライラ・腹痛・過食などの諸症状)のメカニズムは解明されていませんが、女性ホルモンの分泌量の変化によって起こると考えられています。そういう意味では更年期と似ていますし、実際PMSがひどい人は更年期の症状に悩まされやすいという報告もあります。ただ、両方とも生活習慣の乱れで悪化しやすいので、単に不摂生が原因となっている場合もあるようです。ちなみに40歳前後の人の場合、PMSなのか更年期症状なのか判別がつかないケースもあります」
Q.更年期でも症状がなければ何も気にしなくていい?
A.骨粗しょう症やコレステロールの増加にご用心!
「骨芽細胞が骨を作り、破骨細胞がそれを壊すというサイクルが繰り返され、骨の健康は保たれていますが、エストロゲンが不足すると、このバランスが崩れて骨量が減り、骨粗しょう症のリスクがアップします。また、肝臓の中で行われるコレステロールの代謝にもエストロゲンが関与しているため、閉経前後の女性は高脂血症や動脈硬化、肥満などのリスクが増します。つまり更年期が近づいたら、辛い自覚症状がなくても今まで以上にヘルスケアを徹底する必要が!」
あなたは今、どの状態?
セルフCHECKにトライ
まずは今のコンディションを確認してみて! ただしここで出た点数は人と比べるものではなく、あくまで自分の体調を知るためのもの。こまめにCHECKして、自身の日々のからだの変化を把握するための目安に。
〈更年期指数の自己採点の評価法〉
0~25点
上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26~50点
食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。
51~65点
医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けたほうがいいでしょう。
66~80点
長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81~100点
各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。
illust:AKIKO HIRAMATSU text:CHIHIRO HORIE
otona MUSE 2023年12月号より