LIFESTYLE

フリーランスディレクター
田上陽子の北海道移住ライフ
vol.1「仁木町に引っ越しました」

元セルヴォークのディレクターとして、オトナミューズ誌面をはじめ、数多くのメディアにも出演し活躍していた、フリーランスディレクターの田上陽子さん。ワイナリーを営むパートナーとの結婚を機に、今年から本格的に北海道へ移住した田上さんの北海道ライフを連載でお届けすることになりました。今回は移住のきっかけや、そこに至る心境など、同じミューズ世代としてお話を聞かせていただきました。

自分の時間を大切にしたくて
フリーランスへ転身。
リモートワークも追い風に

人生何があるかわからないもので、40歳という年で、長年のホームであった東京を離れて北海道に移住。これまでと180°変わった生活を送る事になりました。 きっかけは2020年の年末。世の中が「風の時代」に入り、個々の時代に突入するよ! という流れの中で、仕事中心だった生活から、自分のための時間をもっと大切にしたいという思いが強くなり、会社員から思い切ってフリーランスに転身。ちょうどコロナ禍でリモートワークも当たり前になり、どこにいても仕事が成りたつムードになってきたころでもありました。

家の前。右手に見えるのは葡萄畑。白銀の世界が嬉しくて、雪の中を駆け巡っているところ(笑)。

それまでの30代を振り返ると、都心のとにかく便利な場所に住み、仕事に没頭し、いろんな人に会い、心身ともにフル稼働させていた一方で、定期的にパタっ……と力尽きることもしばしば。そんなときは日常から離れ、世界中の「何もない場所」を訪れてリセットしていました。地球のチャクラと呼ばれる大自然の秘境や、アーユルヴェーダなどのリトリートの旅、山に籠る瞑想の修行など、目まぐるしい都会の生活と、何もない自然の中で自分と向き合うことで、バランスをとっていたのだと思います。 そんな私がまた「何もない場所」に行きたいと思い立ったのが、フリーランスになると決めたとき。そこで訪れたのが北海道でした。あたり一面何もない場所にぽつんと佇むエコホテルへ。

MEMU EARTH HOTEL
「地球に泊まり、風土から学ぶ」をコンセプトに、十勝の雄大な自然の中に佇む、日本を代表する建築家が手掛けるホテル。

何もない場所へ行きたい。
北海道旅行で運命の出会い

人生の流れが変わるタイミングだったのか、ひょんなことからその旅で北海道在住の今の夫と出会い結婚。東京と北海道を行き来しながらの二拠点生活を経て、この2月に北海道へ完全移住しました。気がつけば今、山の中の「何もない場所」に住んでいます。何もない=人工的なものがない、自然に囲まれた場所。まさにこれまで自分と向き合うために訪れていたような場所が、今度はホームになりました。 ワイン作りをしている夫と、葡萄畑が広がる山で、+猫4匹との生活。今まで当たり前だったものがなく、会いたいときにすぐ人に会えるわけでもなく、けれどその分本当に必要なものだけが残っていく感覚と言ったらよいでしょうか。先日東京から運び込んできた洋服や雑貨類も、この先どんどん断捨離されていくんだろうな〜。シンプルに、自分を研ぎ澄ませていきたいと思っています。 この度の移住を機に、30代に没頭して愛を込めてきたコスメブランドとも一旦お別れしました。見知らぬ土地で、まさに何もない自分に戻ったような感覚もあり、リセットして原点回帰した気持ちです。その分、オーガニック(=本質)なビューティーを志した初心に戻り、オーガニックな自分の生き方を目指してステップアップしていきたいです。 今後はワイン作りをはじめ、北海道ならではの山での生活や、そこで感じる事を中心に皆さまにお伝えできればと思っています。ミューズ世代を代表して、今の時代の生き方サンプルとして、何かしらのヒントになれば幸いです!  どうぞよろしくお願いします。

太陽がいつでも綺麗に見える。これはある日の夕陽の写真。

田上陽子さんインスタグラムENEY

Profile
たがみ ようこ/PR会社でオーガニックコスメなどを中心としたPRを経験後、スキンケアブランド「F organics(エッフェ オーガニック)」、人気コスメブランド「Celvoke(セルヴォーク)」を立ち上げ、ディレクターに。現在はフリーランスディレクターとして、ジュエリーブランド「ENEY(エネイ)」などを手掛けると共に、パートナーの営むワイナリーでワイン造りに奮闘中。



text:YOKO TAGAMI

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