フリーランスディレクター
田上陽子の北海道移住ライフ
vol.3「春の恵み」
元セルヴォークのディレクターとして、オトナミューズ誌面をはじめ、数多くのメディアにも出演し活躍していた、フリーランスディレクターの田上陽子さん。ワイナリーを営むパートナーとの結婚を機に、今年から本格的に北海道へ移住した田上さんの北海道ライフを連載でお届けすることになりました。連載第3回目は、春の訪れと共に感じた植物の生命力やその恵みについてお話いただきました。
これぞ春の醍醐味!
植物の恵み、いただきます
北海道の長い冬が明け、真っ白い世界から草木が現れ、ようやく春が訪れました! この春一番やりたかったことが、「白樺樹液」を採ること。早春の約3週間、白樺が雪解け水をぐんぐん吸い上げる時期にだけ採取できる、とても貴重な樹液。北海道ではアイヌ民族が「タッニワッカ」と呼んで、健康飲料として飲んでいたそう。
家の敷地内に白樺が何本か生えているのですが、その幹に小さい穴を開けさせてもらって、チューブを付けて採取するだけ(採取が終わったら、枝で穴に栓をすれば穴が塞がっていくそうです)。
水のようにクリアな白樺樹液は、ほんのり甘くてとっても美味しい! 樹液の成分は、17種類のアミノ酸、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ミネラル、ビタミンC、マンガン、鉄、亜鉛、銅など、美容や健康に効果的な成分がたくさん含まれていて。免疫力を高め、老廃物を体外に排出するデトックス効果や抗酸化作用があり、肌荒れやむくみといったトラブルにも効果大。コスメにも使われることが多く、「ホワイトバーチ」と言った方が分かる人も多いかも? ファスティング中にも良いとされ、改めて注目されているようです。
ここ最近は、採れたてフレッシュな樹液を毎朝飲んでいます。とても贅沢! 近所の温泉、サウナに行くときにも冷やした白樺樹液を持っていってグビグビいきます。デトックスの相乗効果で、体がクリアリングされていく感覚が病みつきです。肝臓ケアにも最適なので、お酒を飲むときのチェイサーにもしています。
そんな白樺にぞっこんな今日このごろですが、その他にも春の恵みが沢山。こっちに来て初めて知ったのですが、北海道ならではの「ギョウジャニンニク」は、ニンニクとニラなどと同じユリ科ネギ属の植物で、古くから山菜として食べられてきたようです。疲労回復や血流アップに良いとか。
先日近くの山にギョウジャニンニクを採りに行き、早速ラム肉と一緒にBBQで食べたら最高! でした。醤油漬けにして薬味のようにして食べてもばっちりです。他にも「蕗のとう」を天ぷらにしてみたり。もう少ししたら「タラの芽」も採れるそうです。
葡萄の木が姿を現したら
いよいよ畑仕事がスタート
住んでいる場所の自然の恵みを存分に感じながら、いよいよ畑仕事もスタートしました。雪の下で眠っていた葡萄の木が姿を現し、枝の切り口からは雫も出ていて、春の息吹を感じます。まずは畑の環境を整えるところから。不要な枝を切る「剪定」をし、杭に針金を張る作業を。針金に葡萄が蔓を伸ばしていきます。
早朝の空気は特に清々しい! 早起きが大の苦手だった私も、今ではすっかり起きられるようになりました(笑)。自然の音だけを聞いて粛々と畑仕事をしていると、まるでメディテーションのような効果さえ感じます。これから葡萄の成長が楽しみです。
text:YOKO TAGAMI
otonaMUSE I