オイルの恵みでしっとり、もっちり アートピースのような石鹸「mue」

初めてこの石鹸を見た時、その端正な佇まいにグッと気持ちを掴まれました。さらに一歩踏み込んでアトリエにお邪魔したら、その実力と奥深さに「ジャケ買いしたら、めっちゃアタリだった!」という嬉しい気持ちに! この嬉しさを共有したく、この記事を書いています。
「mue」、熱を加えず低温熟成する枠練りコールドプロセス製法で作られた石鹸。熱を加えないため、オイルの良質な成分が壊れにくく、天然グリセリンが豊富に含まれているそう。そのため、洗いあがりがしっとり、もっちり。保湿にすぐれています。
全ての石鹸はアトリエでひとつひとつ作られます。
こだわりのオイルたち。使用するオイルも、配合も様々。
使うオイルにも、こだわりが。「母の代からオイルマニアなんです」と語る井原さんが、ソープのレシピを担当。候補のオイルは全て肌にのせ、感触を確かめるという徹底ぶり。オイルの性格と配合量によっても仕上がりの風合いが異なるため、様々な可能性を探るんだとか。通常固形石鹸ではほとんど使用されていない「トマトシードオイル」をチョイスしたりと、肌質や悩みによって使い分けられるレシピ設計は、深いオイルへの知識と愛情があってこそ。もちろん、余計な添加物は一切なし。
石鹸づくりに密着 ①まずは、苛性ソーダ―をオイルに混ぜます。 ②次に着色し、香料をプラス。③今回は3色使用。 ④型へ流し込んでいきます。 ⑤流し込み終了 ⑥この後、製菓用の回転台を使って、模様を作り込みます。
ほれぼれするような美しいデザインは山口さん担当。Soap Challenge Clubでベストプレゼンテーション賞を受賞したと聞いて納得! 石鹸のデザインにはひとつひとつ、作り手のストーリーがあるそう。Soap Challenge Clubで賞を取った「battery」は、山口さんが育った2つの故郷に共通するオレンジ色の光(ニューヨークの街並みと東京タワー)からインスパイアされたそう。全て手作業で作り出す模様は世界にひとつしかない、やはりアートピースという呼び方がしっくりとくる。
無事流し込み終わった石鹸は、1か月かけてゆっくりと水分を抜いていきます。完全なる手作業のため、制作できる数には限りがあります。それでもオーダーはひっきりなしに。イベントなどで使用するために企業などからのオリジナルアイテムの発注も多いのだとか。
mueの石鹸を使って身を清め眠りへの準備を始める行為は、日々頑張っている自分を慈しみありのままに戻る、そんな時間となりそうです。忙しい日々に消耗する自分へ、または頑張っているあの人へそっと贈りたい。そう思いました。
新作の「dawn」と「dusk」。
dawn – 乾燥とベタつきが気になる朝の肌に、水分と油分をバランスよく補い、すっきりとした洗い上がりを実現。dusk – 乾燥しやすい夜の肌をいたわる高保湿処方のスキンケアソープ。
【定番アイテム】上から:
focus
乾燥肌向け。アルガンオイルとオリーブスクワランを配合し、高い保湿力を発揮。柔らかな洗いあがりでハリとつやを与え、肌を守ります。忙しい日々のエイジングケアに。
release
荒れがちな肌へ。シアバターとココアバターを贅沢に配合し、有機アロエ液汁でしっとりと洗いあげる。乾燥やあれを優しく防ぎ、キメを整えて健やかな肌へ
newme
敏感肌に。希少なトマトシード主体の刺激を押さえたオイルで、マイルドに洗いあげます。潤いを残しながら穏やかな使い心地。
battery
ニキビや混合肌へ。アーモンドと椿のオイルを絶妙にブレンドした石鹸。低濃度の塩を加え、自然な浄化効果を穏やかに実感でき、清らかで潤いに満ちた仕上がりへ。
signpost
黒ずみがちな脂性肌に。ダイコンシードとメドウフォームのオイルを贅沢に配合。長鎖脂肪酸が潤いを守り、ホワイトカオリンが古い角質を優しく洗い流して肌を清浄に。
【 mue 】
20年に渡って石鹸を作り続ける(株)スパークレールによる、スキンケアブランド。処方開発の井原氏とデザイン製造担当の山口氏により恵比寿のアトリエで時間をかけ丁寧に制作されています。
住所:東京都目黒区中目黒1-1-17 LANTIQUE 307
text:KYOKO SHIMIZU[otona ROSY]
EDITOR
otona ROSYは、美容をもっとアカデミックに知りたいアラフォーのための美容専門誌。年齢に抗うのではなく、スマートに楽しく、今ある自分のキレイを最大限に引き出す美容法を様々な角度からご紹介します。