「今は大人の反抗期、かも?」新天地へと踏み出した俳優・比嘉愛未、38歳の現在地
10代の暗黒期、20代〜30代前半までの成長期を経て、今は自己発信期+反抗期に突入しました(笑)

トレンチコート¥275,000、シャツ¥137,500、シューズ¥75,900※参考価格(ジア スタジオ/ザ・ウォール△ショールーム)
――大人の反抗期、きちゃいました!?
比嘉 そうなんです、我ながらグチャグチャですよね(笑)。実は去年くらいから一回リセットしたいっていうモードがまた始まって。何かがあったわけではないんですよ。ただ自然とそうなってきたんですよね。今、自分が何をしたいか、何を求めるかを考えたら、「変えたい! なんかこのままじゃ嫌!」と反抗期がはじまり、それが絶賛今も続いている状態。だから今日の撮影でメイクとファッションで、どんどん違う自分に変えてくださったのを見て、すごくワクワクしました。パブリックイメージの“The女優”っていう私の殻を破れたのかなと。
――パブリックイメージに対する反抗心もあるんですね。
比嘉 それはもうずっとです。 みなさんに知ってもらえてこそパブリックイメージができると思うので、そういう意味ではありがたい気持ちもあるんですけど、正直もういいんじゃないかなと。20代のころは、求めてくださるイメージがあれば、それも愛情だと思って期待に応えようとがんばっていたんです。けどだからこそ、そろそろもうよくない? というのが本音。私がこれまで演じてきた役柄って、どちらかと言えば、正義感が強くてしっかりした女性や清楚な役が多かったので、そういう役に近いイメージを抱いてくださる方もいると思うんですけど、実際の私はぜんぜんそんな感じではないんです。本当の私はきっと、沖縄の大自然の中でわんぱくに遊んでいた10代の自分のまま。最近になって、まわりの方から「気取ってないね」とか「天真爛漫だね」と言っていただくことが前より増えてきたのですが、内心それがすごくうれしいです。 型にはまらず、なにごとも楽しめる大人でいたいですよね。
――「楽しめる大人」って素敵な言葉ですね。
比嘉 すごくいいですよね。「自分はこうあらねば」みたいなものを背負ってしまうと、そこに当てはまらずイライラしたり、なんか違うなって思ったりしてしまいそうだけど、毎回がゼロスタートだと思えば、どんなことも楽しめるはず。そう考えるようになってから、どんどん失敗も怖くなくなってきました。若いころはわりと「ここで失敗したら次はないんじゃないか」と恐れていたんですけど、今はどんな人でも失敗するんだから大丈夫って思えるようになってきて。変にプライドを持たず、背負わず、だけど経験から方向転換の術は知っている。だから、前よりも純粋に楽しめるようになってきたのかな。ただ逆に言うと私は、なんとなくの成功法をわかった上でそれに従わないから、あざとさが足りないのかなとも思っていて。カッコ悪くても素直にありのままの自分を受け取ってほしい、怖くても曝け出す方が自分らしい、そう思っちゃうんです。かっこいい? いやいや、これからはあざとさや自己プロュース力が必要になってくるのかもしれませんね。
――今の自己発信期+反抗期が終わったら、次はなに期が来るんでしょうね。
比嘉 もしかしたら、また暗黒期が来るかもしれないですよね。でも生きていればいろいろあるのが当たり前で、それすらも楽しめたら最高じゃないですか? 私、ハプニングがない人生はつまらないと思っているんですよ。安定思考よりも、攻めていきたいタイプ。じゃないと、すべてを捨てて沖縄から東京に出てこないです。あの時の行動力は、自分でも「我ながらよくやったぞ」と言いたくなるくらい、人生最大の決断でしたから。
photograph:YUYA SHIMAHARA[UM] / styling:KASUMI KATO / hair & make-up:MIFUNE[SIGNO] / model:MANAMI HIGA / interview & text:NORIKO YOSHII
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