「今は大人の反抗期、かも?」新天地へと踏み出した俳優・比嘉愛未、38歳の現在地
素顔の比嘉愛未には「自由人」という言葉がぴったりだと思います

トレンチコート¥275,000、シャツ¥137,500、シューズ¥75,900※参考価格(ジア スタジオ/ザ・ウォール△ショールーム)
――すでに意外な一面をたくさん知られた気がするのですが、役を演じてない素顔の比嘉愛未を一言で表すなら?
比嘉 (即答で)自由人! 考え方にファッション、音楽、カルチャーもコレ とひとつに決めず、そのときどきで興味の矛先が変わっていくんです。さらに言えば、人間関係もそうで。自分のベースとなるようなずっと変わらず大事な人たちはいますけど、新しい出会いも楽しむし、かと思えば、すごく一人になりたいときもある。そういう自分の感覚を偽らないようにしているので、私は「自由人」なのかと思います。
――まわりの人はその変化にびっくりされませんか?
比嘉 「はい、出たー」みたいな感じで言われます。そうやって私を野放しにしてくれる仲間がいるから、安心して自由でいられるのかもしれません。
――自由な部分の他、ご自身の性格で気に入っているところは?
比嘉 人に興味あることですかね。人見知りもないですし、子どものころから人間観察が好きで、それがこの仕事にも活きているなと感じます。とは言え、探究心のままにグイグイ行くわけではないですよ。それこそ昔、グイグイ行って失敗したことがあるので、今はいったん見極めてから、じっくりと相手を観察するようになりました。俳優業って、共演者さんとスタッフさん合わせて、毎クールのように40~50人の方と関わるんですよ。しかもそれぞれがその分野のスペシャリストなので、本当におもしろい方ばかりで。20年俳優業を続けて、人との関わりを楽しめるこの性格が好きになってきました。人に出会って観察して、人を知ることに無条件でワクワクするんです。
――まさに俳優業はぴったりですね!
比嘉 今世でこの仕事に出会えてラッキーでした。けど、だからといって俳優業に固執していません。ずっと役者でいたいですけど、役者じゃなきゃ生きていけないとも思ってない。それに究極を言えば、いわゆる“仕事”とは思ってないのかもしれません。もちろんそれで生活しているので仕事ではあるんですけど、童心の部分が大きいからか、作品づくりであり人とのコミュニケーションの場という認識で。どうしても仕事って聞くと、需要と供給で成果を出さないといけないものって感じがしません? それよりはある意味、グループ活動みたいな、みんなでモノづくりを一緒になって楽しんでいる感覚に近いかもしれません。
――ということは仕事とプライベート、オンオフの境界線がないんですかね?
比嘉 仕事とプライベートが一緒になってきちゃったなとは思います。なので、最近は急に思い立っては旅行したり絵を描いてみたり、あえてインプットの時間をつくるようにしています。じゃないと私、家に帰っても「あのシーン、こうすればよかったかな?」とかずっと考えちゃうんですよ。それはそれでいいんですけどね。ただいくら仕事とは思っていなくても、アウトプットし続けるとどうしたってカラカラになっちゃうので。それこそ、オフにはよく沖縄に帰ったりもしています。地元は、家族や大事な友だちに会うと自然と仕事から離れて、自分のルーツに帰れる場所ですね。
――地元に帰ると、すべてのスイッチがオフになる感覚はわかります(笑)。
比嘉 それが普通ですよね? 誰にとっても地元は、なにも頑張らなくてもいい、すべてを受け入れてくれる場所だと思います。地元に帰ったときくらい、甘えたっていいじゃないですか。度が過ぎたらダメですけど、ちゃんと甘えられる大人ってすごく素敵だと思いますよ。それが可愛らしさだったり自由さだったり、魅力にも繋がる気がします。
photograph:YUYA SHIMAHARA[UM] / styling:KASUMI KATO / hair & make-up:MIFUNE[SIGNO] / model:MANAMI HIGA / interview & text:NORIKO YOSHII
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