「一生懸命生きちゃう自分も、
悪くないかな」梨花インタビュー
ミューズのカバーモデルとして創刊から変わらず時代を象徴する女性像を表現し続ける梨花。7年ぶりに待望の書籍を発売し現在の価値観を、心情を語ってくれました。今を生きる全てのミューズへ、エールになることを願います。
タイミングは人それぞれ
30歳になったときに「30代ってすごく楽しいよ」って、当時はブログだったかな、もう20年近く前に、言ったんです。
そしたら周りの皆や、応援してくれている方たちからも、私が「30代は楽しい」って言ったことが支えになりましたって、声をたくさんいただいたんです。
だから私がタイミングとか人それぞれですってことを伝えたいのは、私は40代がものすごく辛かったから。でも30代が辛くて40代を抜けて楽になった方もいらっしゃるし、本当に、人それぞれだと思うんです。
30代40代は順調に楽しく過ごしたけど、50歳で辛さが押し寄せる人もいるでしょう。私はお世辞にも40代は楽しかったとは言えない。でももう49歳でしょ。今はね、絶対50代は楽しい気がしているんです。
何が伝えたいかっていうと、一生トンネルってことは、ないからね。
一生懸命生きちゃう自分も、悪くないな
ストイックに一生懸命生きるのって、やっぱり疲れちゃうからもっと楽に生きたいという思いがずっと、すごくあって。いい大人だし、楽って「楽しい」って字でもあるから、これからはそう生きたいって、ずっと思っているんです。
楽しく生きられるのも才能ですよね。そういうタイプでしょう、って思われることも多いけど、実際はやると決めたら全身全霊で。意外と考え込むタイプだということを分かってくださっている、昔から応援してくれているファンの方もいらっしゃるのが救いですが、ずーっとこの思いはあって。
でも結局、今年『わたしのユリイカ』のあとがきを書いているとき、結局一生懸命生きちゃうタイプの自分も、悪くないなって思ったんです。そうやってしか、生きていけないな、って。どっちもいいんですよね、きっと。これが自分自身なんだもの。
photograph:YUKI KUMAGAI / make-up:UDA[mekashi project] / hair:ASASHI[ota office] / styling:TOMOKO KOJIMA / model:RINKA