【今月のカバーミューズ】
梨花が着こなす、最旬デニムスタイル
DENIM HOLIC
やっぱりデニムが好き。
「1本のデニムを愛することは、人を愛することに似ている」と聞いたことがあります。デニムを相棒、と呼ぶ私たちですが、その言葉には深く頷かざるを得ません。こちらが求める理想を受け止めてくれる完璧な1本に出会うまでには時間がかかるし、いいコンディションではき続けるにはケアが必要。一緒に過ごせば過ごすほど、深まるものがある。その一方で、新しいデニムとの出会いもまた、新しい恋に似て刺激的。ほら、まるで人間関係みたいです。家族のような欠かせない存在になるデニムもあれば、恋人のように刺激的なスタイリングを楽しみたいデニム、友達のようなラフさが心地いいデニム、元カレみたいな懐かしさと青春を思い出させるデニム、いろいろある。いずれにせよ、やっぱり私たちはデニムという存在が好きなのです。さぁ、ページをめくって、素敵な出会いを求めにいきましょう。
梨花、ポートレイト in デニム
飾らない自分でいたいなと思う日、手に取るのは大抵デニム。それは、梨花も同じ。私たちにとって「デニム=らしくあれる服」なのだとしたら、今また大きな変化を遂げている彼女を、デニムを通して切り取ってみたら、どんな姿が写るだろう? ポートレイト in デニム。梨花が着たいデニムから透ける、リアルな彼女の今を捕まえた。
BALENCIAGA
枠にはまらなくたっていいじゃない、
デニムも人生も
ジャパニーズデニムを使用したパンツデザインのトップに、同素材のラージバギージーンズの合わせが新鮮なバレンシアガのルックは、私たちが当たり前に思っていた概念を気持ちよく覆してくれるパワフルさがある。デニムの着こなしも生き方も、既存の枠にはまらなくたっていいじゃない? そんな未来を見据えたポジティブさが、今の梨花の気持ちとリンク。
BerBerJin
ヴィンテージデニムから透ける「今」。
何に価値を置くかは、自分次第
ここ数年、投資という角度からも注目を浴びているヴィンテージデニムの世界。梨花が着たリーバイス213は、なんと220万円なり。ことリーバイスではXX(Extra Exceed=他を超越した)デニムが有名ですが、この213は1900年初頭に506XXデニムジャケットの廉価版として誕生したもの。XXデニムよりオンスと染めの濃度を落として生産されたのですが、製造数がかなり少ないうえに現存数もごく少量のため、今や506XX以上に希少性の高いヴィンテージとして年々金額が高騰。特に今回紹介している1着は、初期型で滅多に市場に出ることがない逸品なんだとか!
Maison Margiela
シルエットのネクストトレンドは
着こなしの主役になる大胆なボリューム!
この秋冬、注目したいのは、構築的なボリュームシルエットのワイドデニムパンツ。トップには光沢が上品なワックス加工を施したコットン素材のボディスーツを合わせて、エレガントなスタイリングを完成させて。
Nails
甘やかで繊細で……、そんな女性性や
柔らかい部分を大切にしたい、気持ちもね
秋冬トレンドの筆頭であるコルセットや、甘く繊細なテイストとデニムは好相性。梨花がはいたのは、2022AWにローンチしたエストネーションのオリジナルデニム、ネイル。世界に誇る日本のデニム産業の専門性の高さを生かした丁寧な加工や細やかなディテール、水の排出量をおさえ環境へ配慮した生産背景など、こだわり感じる注目ブランド。
Acne Studios
新しいものを想像することって、
見慣れたものを見つめ直すこと
クチュールのエレガンスとクラフトワークの温もりを感じさせるミニドレスは、ランウェイに登場したパッチワークデニムのローブデコルテを彷彿とさせる1着。「身の回りにあるものから創造すること、見慣れたものから新しいものを作ること」というコレクションのテーマにも、ハッとさせられる。Y2Kなテンションとモダニティ、両方を組み合わせたスタイリングで今のムードに。
RE/DONE
オーセンティックなものこそ
違う目線で見たら面白い
珍しいオリーブ色のデニムパンツは、ヴィンテージデニムを解体し、再構築するというユニークなクリエイションで知られるエシカルブランド、リダン。デニムといえばインディゴかブラックかホワイト……、そう脳に刷り込まれている私たち。見慣れた存在の色が変わるだけで、こうも新鮮に映るもの!
photograph:YUKI KUMAGAI / styling:TOMOKO KOJIMA / make-up:UDA[mekashi project] / hair:ASASHI[ota office] / model:RINKA