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「常にユーモアをもって生きていたい」 長澤まさみインタビュー

努力した時間を記憶として
刻むことで、自分に自信がつく

10月24日(月)スタートのドラマ『エルピス|希望、あるいは災い|』で主演を務める長澤さん。本誌のインタビューに答えてくれたのはまだ撮影が始まる前。作品への思いを聞かせてくれました。 ■自分の価値を評価するのは他人でも、 そこに付加価値をプラスできるのは自分だけ ―オトナミューズのカバー撮影、3度目となる今回はジュエリー使いも印象的な衣装でしたが、いかがでしたか? 「ジュエリーが着こなしのフックになるようなバランス感、とても素敵でした。普段はシルバーもゴールドもごちゃ混ぜで着けるのが好きなんです。人さし指と薬指にリングを着けてることが多いかな、あとはネックレス。華奢なものより、わりと主張のあるタイプが好きですね。服もジュエリーも、ひとつのものを大事に使い続けたいって思いが年々高まってきているので、買い足す頻度はぐっと少なくなりました」 ―プライベートでも長澤さんは“らしさ”があるおしゃれな方だとよく耳にします。 「いえいえ(照)。おしゃれな人が周りにたくさんいるので、むしろ教えてもらってるんです。ファッション、楽しいですよね。毎日何かと忙しい中で、今日はどれ着ようかなって考えたり、この服可愛いな素敵だなって思うことがひとつの気分転換になっている気がします。あ、おしゃれな人のインスタを見るのも好きですよ。竹下玲奈さん、大好きなんです」 ―え、そうなんですか!(大興奮)これ、玲奈さんすごく喜ぶと思います。 「オトナミューズさんのインスタもちゃんとチェックしてますよ(笑)。インスタは、何か買いたいものがあるときのリサーチツールとしても活用してますね。あとは最近、顔色が明るく見える色を意識して選ぶようになったかな。やっぱり大事ですよね。歳を重ねるほど思うのが、自分に似合う色と他人が似合う色は違うってこと。だからカラー展開があるんだなと改めて学びまして(笑)。人が着ていて素敵に見えても、安易に飛びつかなくなりました。肌映りがいい色を着れば、おしゃれ感って自然と増す気がします」 ―10月クールの新ドラマでは、エースの座から転落したアナウンサー役を演じられるとか。“自分の価値を取り戻す”がテーマのひとつになるそうですね。 「そうなんです。自分の価値ってなかなか難しいですよね。それを決めるのは他者の評価だったり、自分以外の人間なのかもしれない。でも私は、自分の付加価値をつくるのは自分だと思うんです。なので、努力を続けさえすれば、自らの価値って上がるんじゃないかなと。このドラマはそういった部分の悩み、葛藤みたいなものを追求する内容でもありますね」 ―さらに、ある冤罪事件が絡むミステリー的な側面もあると伺いました。 「はい。真実を追っていく過程で、自分とも向き合うことになるという……」 ―真偽の追究がストーリーの柱になりそうですね。共演される眞栄田郷敦さん、鈴木亮平さんの印象はいかがですか? 「まず最初に本読みをさせていただいたんですが、郷敦さんは目力で意思がちゃんと伝わってくるというか、魂の存在感がすごい。亮平さんはとてもマジメで。普段から腕っぷし強めな役を多く演じられているのもあってガッシリとしたイメージですけど、とても無垢な人。可愛らしい男性たちだなと。むしろ、俳優さんにしてはちょっと珍しい感じの二人……これ、あくまでも私の印象ですよ(笑)。お二人となら集中して現場に臨めそうだなって、撮影前から嬉しくなりましたね」 ■仕事の本質的な部分に触れて 人と人を繋ぐユーモアの大切さを学んだ ―長澤さんの印象は、気取りのないユーモラスな方、という感じなのですが。ご自身としてはどう捉えていますか? 「え、嬉しいです。つねにユーモアを持って生きていたい! というか、基本的にずっとふざけてる……(笑)。こないだも、いつもふざけてるよねって俳優の先輩に言われたんです。やっぱりそうかって(笑)。何か聞かれるとすぐふざけて返しちゃう」 ―『コンフィデンスマンJP』のダー子を思い浮かべてしまいました(笑)。 「私の地元では、もはやあれ、まーちゃん(長澤さん)だよねって言われてます、ほぼ全員に。だから何の目新しさもないよ、とか(笑)。私の周り、辛口な人が多いんですよ。だいぶ鍛えられてます」 ―なんて手厳しい!(爆笑) にしても長澤さんのコメディセンスは驚異的です。ご本人のなかに、面白みのベースみたいな生粋のものが備わっているのかなと。 「それは嬉しいですね。普段から私自身、面白い人が好きで。だからかな、仲よくなる人も面白い人が多いですね。私の場合は、何だろう、そもそも普通に答えたりするのが恥ずかしいってところから始まっていて。子どものころからあったんです、そういう部分。恥ずかしいから茶化すというか、ふざけちゃうのかもしれません(照)」 ―でも、恥ずかしがることって一種の知性なんじゃないかと思います。 「そう言っていただけるとありがたいです。私、10代のころから芝居に対して、嫌だな恥ずかしいなって思う場面がたびたびあったんですけど、そう思っちゃいけないって子ども心に感じていて。ずっとそれを口にすることなく隠していたんですよ。でもあるとき、舞台の演出家さんが“俳優ってさ、本当によくこんな恥ずかしいことできるよね”って、芝居を観て言ったんです(笑)。うわ辛辣だな~って思ったのと同時に、そっか恥ずかしいことでいいんだ? って妙に腑に落ちたというか。まさに目からウロコ的な瞬間で、何だ、恥ずかしくていいんじゃん!! みたいな。恥をかくのが私たちの仕事だ、そういうものなんだって納得できたら、嘘みたいに気持ちが軽くなったのを今でも覚えています。だから逆に、恥をかくのが怖い人にはもしかしたら辛い仕事かもしれません。街中で突然大っきい声出すシーンとかね、ありますし……極端な例ですけど(笑)」 ■いくつもの思いとご縁が繋がった今回の 月10ドラマ。思いっきり向き合いたい ―ちなみに、これまでに影響を受けた映画とかドラマってありますか? 「『ジョゼと虎と魚たち』ですね(即答)。あの映画がベストオブムービーです、私の。ジョゼが可愛くてね、ちょっとエロくてね。当時、台詞ずっとマネしてましたもん、「キュウリはまだや」とか(笑)。見事にハマッたんです。もう何度も観ましたね、大好きで」 ―確か、今回のドラマを担当している脚本家さんが手掛けた作品ですよね? 「そうなんですよ。『ジョゼ~』の渡辺あやさんが今回脚本を書いてくださるってことが、とっても嬉しくて。それに今回『モテキ』で一緒だった大根仁監督と、久々にお仕事するのも楽しみでした。『モテキ』当時は、朝来たら“まさみちゃん可愛いね~”って、つねに私を褒めてくださってて……そういう演出だったんですよ(笑)。でも人間って不思議で、毎日可愛いって言われると本当にそうなれるんです、自信が持てるというか。だから皆さんも旦那さんや彼氏さんには、とりあえず毎日私のこと可愛いって言って、と頼んでみてほしい(笑)。脱線しちゃいましたが、今回のドラマ『エルピス』、実在するいくつかの事件に着想を得た物語に、私たち役者陣も誠実に向き合っています。皆さんにも身を委ねて楽しんで見届けてもらえたら嬉しいです」 profile 長澤まさみ(ながさわ・まさみ)。1987年、静岡県出身。日本アカデミー賞をはじめ、名だたる映画・演技賞に輝く他、役柄としての歌唱シーンや大河ドラマのナレーションなど声の出演にも注目が。10月24日(月)スタートの連続ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(カンテレ・フジテレビ系毎週月曜22:00~放送予定)では、「コンフィデンスマンJP」以来、4年半ぶりに連ドラ主演を務める。

interview & text : NAO MANITA[BIEI]

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