歳を重ねた“今”にしかない美しさ♡
菊地泰久が写し出す佐田真由美
directed by
YASUHISA KIKUCHI
真由美が気になるクリエイターを招き、彼らのフィルターを通して新たな世界を魅せていく隔月連載。今回ディレクションをお願いしたのは、広告や雑誌の他、数々のヒット写真集を撮り下ろし、女優やタレントからラブコールの耐えないフォトグラファー菊地泰久さん。菊地さんが切り取る“美しい余韻”をお楽しみください。
いつも“流れるように”動く佐田さん。
シャッターを切る楽しさをくれる方
「お話をいただいたときはビックリしたのと同時にただただ嬉しかったです」
撮影後、そんな率直な感想から語ってくださったのはフォトグラファーの菊地泰久さん。菊地さんと真由美の最初の出会いは数年前、本誌でのビューティ撮影だった。その後、別媒体などで数回撮影を重ねたものの「まさかこのような形で自分に白羽の矢が立つなんて?」と驚く菊地さんとは裏腹に、真由美は初めての撮影時から菊地さんが捕らえる的確なタイミングと美しさ、さらには完璧なだけじゃない情緒感といったものに絶対的な信頼を置いていたようだった。ふとした瞬間を切り取り、もっと見たくなる余韻を残す菊地さんの写真は、今回の限られた枚数のなかでも私たちを惹きつけた。
「“僕のフィルターを通した佐田さん”ということ以外にはなんのお題もなく、縛りもなく、自由に撮らせてもらえるとのことでしたが、撮りたかったのはやっぱり素の佐田さん。昔からお美しい方ですが歳を重ねて、また今しかない美しさがある。なので、あくまでもシンプルにそのままを写し出せればいいな、と思いました」
奇しくもこの撮影が行われた11月は真由美が手がけるエナソルーナが15周年を迎えたタイミングでもあったため、現場では本人の愛着こもったジュエリーたちをまとってもらうことに。そのひとつひとつへの愛を熱く語りながら、真由美の表情はくるくると変わっていった。
「佐田さんはモデルの中のモデルというか、モデル然としている人。小さいころからスマホがあって自撮りに慣れている今の10代、20代のモデルさんは、自己プロデュース力にもすごく長けているから『こう見られたい。こう見せたい』という想いが自然と前に出てくる。でも、佐田さんは『どんな角度で切りとってくれてもいい。お任せしますよ』というマインドに溢れていて、潔く身を委ねてくれます。だから、“誰が撮っても同じ”にはならず、撮っていてすごく楽しいんです。自分だけにしか写せない佐田さん、その瞬間にしか撮れない佐田さんがいる。今日僕が撮った佐田さんだって、もう撮ることはできません。だから、また撮らせてくださいね(笑)」
YASUHISA KIKUCHI
フォトグラファー富田眞光氏に師事したのち2009年に独立。ビューティ、ジュエリー、ファッション‥、境界線を引くことなく多様な視点でシャッターを切り、広告、雑誌、そして写真集と、幅広く活躍中!
direction & photograph:YASUHISA KIKUCHI[vale.]/ styling:MANA KOGISO[io]/ hair&make-up:KATO[TRON]/ model:MAYUMI SADA / edit:YURI SUGIYAMA