今が一番若い。どこにでも行けるし、なんでもやれる!菊地凛子に学ぶ40代のマインド【インタビュー】
朗らかに、そして自然と。ポンッと肩を軽く叩いてくれるような言葉。そんな菊地さんが今、日常の中で頼りにしている感覚。
「ワクワクすることや、キラキラしていること、そういった心が惹かれる感覚を大切にしているし、今こそその感覚には素直になったほうがいいぞと思います。時間も限られているうえに、さらに優先順位もある生活をしているのでなおさら。家族が最優先であることは不変なので、その中で選択をしていくわけですが、限られた時間の中でもう余計なことはしたくないじゃないですか。選択のときは、素直にどっちが好きなんだろう? どっちがワクワクするのかな? と根本的な衝動に従ったほうがいい。たとえいい方向に行かなかったとしても、自分の素直な気持ちで導いた選択ならば後悔にはならない気がします。いいこともそうじゃないことも含めて、何が起きたとしても、その全てが私を形成している大事な要素。今、目の前にある選択にしても、将来の自分を形成するものになる。自分が歩いて生きた道も、これから歩んでいく道も、人がなんと言おうが自分だけは肯定してあげたい。その心持ちは忘れずに」
菊地さんの視点で日々を生きられたとしたら、過去の出来事も、それがネガティブなものでも、少しだけ温かく鮮やかな記憶に。
「ただ、だいたい過去って美化されるものなんです。それにいつかは忘れてしまいますしね。限られた時間の中で起こる出来事は、特に子どもの成長は一瞬だからこそ、忘れたくないし、忘れちゃいけないと思うのに忘れていくんですよ。素敵な言葉をくれたとか、胸熱な瞬間に立ち会ったとか、たくさんの感動があったのに。……でも、それが生きていくってことなんだと思うんです。それに忘れてしまったとしても、その記憶が私の中を通過した事実は何かしら残っているはず」
profile_きくち・りんこ/1981年、神奈川県出身。1999年、映画『生きたい』でスクリーンデビュー。2006年、『バベル』でアカデミー賞助演女優賞をはじめ多数の賞にノミネート。主な出演作に、映画『ノルウェイの森』『658㎞、陽子の旅』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、連続テレビ小説『ブギウギ』など。映画『パシフィック・リム』シリーズほか海外の作品にも出演し、国内外問わず活躍。待機作に映画『あの人が消えた』(9月20日公開)がある。
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photo:ITTETSU MATSUOKA styling:Babymix
hair:YUSUKE MORIOKA[eight peace]
make-up:RYOTA NAKAMURA[3rd] model:RINKO KIKUCHI
special thanks:KEISUKE KAWANISHI Interview & text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年9月号より