2大メーカー、花王&ユニ・チャームに聞いた、「生理用品」の今と未来。

今、サニタリーアイテムが大きく進化し始めている！ そこで、技術とアイデアでナプキン業界を牽引してきた花王、ユニ・チャームの二大メーカーを直撃！ 最近のアイテム事情から、進化のきっかけ、“未来予想図”までを徹底ヒアリング。

───生理ナプキンの代名詞ともいえる「ロリエ」を擁するのが花王。ナプキンのトレンドをリードしてきた同社が感じる“生理まわり”の変化とは？ 「世の中のジェンダーに対する考え方が変容するなかで、生理に関するトピックも切っては切り離せない存在に。以前は隠すものとされていた生理について発話する場が急激に増えました。そして女性が自分らしく生きることがフォーカスされる中で、生理用品にも多様性が求められるようになった。多くの選択肢の中から自分に合った生理用品を選ぶ流れが生まれています」（花王 ロリエ　マーケティング担当・石川雄一さん、以下同） ───ナプキンそのものの進化も見逃せない。 「薄さや吸収力などの機能面に加え、肌当たりのよい素材使いや消臭効果など、プラスαの付加機能がついたものが出てきています。ロリエからはこの秋、シートに国産のピュアコットンを１００%使用した新シリーズが登場しますが、こちらはコットンならではの柔らかな風合いと、しっかりムレを逃してくれる通気性のよさが特徴。そして実は、コットン製で高い吸収力を叶えるのはとても難しいのですが、“瞬間吸収”が叶う独自の吸収体を採用することで、高い吸収力も両立することができました。ほのかなラベンダーとカモミールの香りもついていて、思わず触れてみたくなる上質さです。もっとご自愛したい方へ、洋服を選ぶ感覚でナプキンを選んでほしい、という思いから生まれています」 ───今後、生理用品市場はさらにオープンになり、アイテムも“よりどりみどり”になる！？ 「ロリエはデリケートゾーン用のウォッシュなど、スペシャルケア品も開発しています。この先も、まだまだある生理にまつわる困りごとを解決するためのモノ・コトを提案する予定です。ちなみに今年、女性が安心して過ごせる環境づくりのお手伝いの一環としてオフィスのトイレに生理用品を設置させていただく『職場のロリエ』という有償プロジェクトを始めました」 “ブルーデー”という概念が、過去のものになる日も遠くはないかも。

───月経カップや膣口にフィットさせて経血を吸い取るアイテム（シンクロフィット）など、多様なアイテムを展開してきたユニ・チャーム。製品バリエが増える中で、ユーザーのアクションにも変化が生じ始めているという。 「今までナプキンしか使ってこなかった人が、ナプキン以外にも手を伸ばしたりと、自分のライフスタイルに合うものを、ひとつではなく複数選択する人が増えてきました。また昨今は、コロナ禍でストレスを抱える女性が多くなり、自分をいたわりたいという気持ちから、より肌に優しいものを望む声も大きくなっています。さらにＳＤＧｓの観点から、煮沸消毒すれば繰り返し使える月経カップに注目したり、トイレに流すことができるシンクロフィットを取り入れる人も」（ユニ・チャーム広報室・藤巻尚子さん、以下同） ───そんななか、特に今ヒットしているアイテムのひとつが、ショーツ型ナプキンだ。 「肌触りやはき心地がよいうえ吸収力も抜群、はき替える頻度も比較的、少なくて済みます。もとは就寝時の漏れが気になる方向けに開発された製品ですが、はくだけでよく、リラックスできるのでゆったりと過ごしたい日中にもオススメです。実際のところ、リモートワークが定着して家で過ごす時間が増えた昨今は、昼間に使用する人も増えつつあります」 ───生理管理のための携帯用アプリもいち早く開発してきたユニ・チャームだが、サニタリーグッズとＩＴの連動も今後は深まっていくのだろうか。 「生理日や体調管理のための現行のアプリ（『生理管理アプリ ソフィ』）では医師監修のアドバイスがもらえる機能がありますが、今後はさらにパーソナライズ化して、自分にとって相性のいいアイテムを見つけられるようになるかもしれません。生理に関する不満やお悩みは誰でも何かしら抱えているはずです。それに対応するアイテムに出会うことは、自分らしい人生を自由に選択することにもつながっていくと私たちは考えています。またコスメのように楽しい気持ちで選べる製品作りも今後の課題です」

いかがでしたか？ 次回は多様化している生理ナプキンの中で吸収力に肌触り、素材、ルックス……とさまざま観点から注目アイテムをピックアップしてご紹介します。お楽しみに！