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映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』宝島元編集長・関川誠はどう感じたのか

映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』宝島元編集長・関川誠はどう感じたのか

2026年10月2日、忌野清志郎さんのデビュー55周年記念ドキュメンタリー映画『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』が全国公開されました。

愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた
出演:忌野清志郎 三浦友和 泉谷しげる 竹中直人 他
監督:相原裕美
© 2026 Kiyoshiro Movie Project

忌野清志郎はロック・バンドRCサクセションのフロントマン。「トランジスタ・ラジオ」「雨あがりの夜空に」などヒット曲は多数で、「愛と平和」の象徴として語られることもありました。ドラマやCMにも出演し、広く一般大衆にまで名前が知られるいっぽうで、コアなロック・ファンやミュージシャンから愛され続け、「KING OF ROCK」と呼ばれた方です。この映画はいろんな顔を持つ忌野清志郎について、貴重なライブ映像、関係者の証言などで構成されたドキュメンタリー作品。渋谷でのゲリラライヴや1990年のRCサクセションの日本武道館公演、『BEAT POPS』のレコーディングの様子など、現在までほとんど世に出ていなかった貴重な映像も収録されています。

映画公開にあたり、現・株式会社 宝島社の代表取締役社長であり、1980年に『月刊宝島』の編集長を務めまだ無名だったRCサクセションや清志郎さんを積極的に取り上げていた大の清志郎ファン・関川誠に、映画の率直な感想を語ってもらいました。

関川誠_1954年東京都生まれ。78年に現在の宝島社にあたるジェー・アイ・シー・シーに入社し、80年には「月刊 宝島」の編集長に就任。89年には女性ファッション誌の「キューティ(CUTiE)」の創刊編集長に就任し、以降男性ファッション誌やモノ雑誌、女性向けライフスタイル誌、シニア向けファッション誌などの創刊をプロデュース。2004年に取締役に就任し、23年に代表取締役社長に就任。

関川:映画になること自体は、やっぱりファンとしては嬉しいですよね。観たことがない映像もいっぱいありました。もともと少ないフォーク時代の映像や「ロックン・ロール研究所」(1994年に設立された忌野清志郎のプライベート・スタジオ)が映ったことには、びっくりしましたね。あれは清志郎さんを取材した際にも話は何度も出ていたんだけど、実際にその風景が観られるとは。「ああ、こういうところだったんだ」って。

 

三浦友和さんの話も面白かったですね。清志郎さんはときどきポロポロ話してたんですよ、「三浦友和の家に行ったらさ、……山口百恵が出てくるんだよね」って。「それはびっくりしたよ」って(笑)。実際はどこまで親交があったのかわからなかったんですが、今回の映画で結構いろんな付き合いがあったんだな、ってことが実感できました。まあでも、映画の中でも語られている通り、ステージを降りるとわりと寡黙な人で、人見知りする人だっていうのは、本当にその通りでした、清志郎さん。ある時期まで、お酒を飲まなかったと思うんです。キャリアの途中からお酒を飲むようになったんじゃないかな。

  • 清志郎さんとは東京都立日野高等学校時代からの友人である俳優の三浦友和さん
  • 中学時代から憧れていて大学生になってから親交を持つようになったという俳優の竹中直人さん
  • 覆面バンドTHE TIMERSほか長く清志郎さんと音楽を奏でたミュージシャンの三宅伸治さん
  • RCサクセションやソロ活動にも多数参加したサックス・クラリネット奏者の梅津和時さん

清志郎さんとは東京都立日野高等学校時代からの友人である俳優の三浦友和さん、中学時代から憧れていて大学生になってから親交を持つようになったという俳優の竹中直人さん、覆面バンドTHE TIMERSほか長く清志郎さんと音楽を奏でたミュージシャンの三宅伸治さん、RCサクセションやソロ活動にも多数参加したサックス・クラリネット奏者の梅津和時さんなどが貴重なエピソードを語ってくださっています。©2026 Kiyoshiro Movie Project

1988年から1989年を中心に活動した伝説の覆面バンドTHE TIMERS(ザ・タイマーズ)では「RCサクセションの忌野清志郎によく似ているとされる謎の人物」=ZERRY(ゼリー)として活動。©2026 Kiyoshiro Movie Project

渋谷でのゲリラライブの模様も!©2026 Kiyoshiro Movie Project

関川:初めて清志郎さんを観たのは渋谷の屋根裏というライブハウスです。それはそれはすさまじいものでしたよ、エネルギーが。バンド編成になった RCとしてブレイクする直前の、ものすごいパワーみたいなものがあって。後々、ケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。劇作家、演出家、映画監督、音楽家、俳優)などいろんな人々と話すとき「屋根裏の清志郎さん、すごかったですよね」みたいな話になる。屋根裏のライブが話題になってから、RCサクセションは学祭をずっとまわっていたんだけれど、私も関東近県の学祭によく観に行きましたし、どれも素晴らしかった。それで一橋大学の講堂で演奏したときに、『月刊宝島』の表紙を初めて撮ったのかな、確か。控え室で撮ったんだけどね、モノクロの写真で。清志郎さんのことを話すとみんな、こういう昔話になりますね。

関川編集長時代の月刊宝島 臨時増刊『愛し合ってるかい』は1981年に発行。熱いご要望にお応えし2009年にデラックス・エディションとして完全復刻されたこともあります。

関川:あとやっぱり観てほしいのは野音(日比谷野外音楽堂)かな。野音の清志郎って、特別なんですよ。最初の野音のライブから観させてもらっていましたが、すごくよかった。

清志郎さんは2009年に、58歳で逝去。ご存命ならこの映画の公開時は75歳でした。

関川:早過ぎるよね。(生きていたら)75歳なんて、現役のロッカーはいくらでもいますからね。ストーンズなんて 70代でも世界中を回っていましたから。

 

エネルギーもだけれど、姿勢も。清志郎さんってすごく強い信念を持ってたと思うんです。THE TIMERSになっても、その後の活動でも顕著だけれど。たとえば原発の問題にしても、亡くなった後に東北の震災が起きて、「本当に歌っていた通りになってしまった」と、みんな思ったでしょう。今になってみると清志郎さんが警告してきたようなことが世の中的には起きてる感じが、すごくするんですね。そういった部分、『清志郎の政治性』みたいなものにはこの映画では踏み込んではおらず、正直「ちょっと遠慮がちだな」とは思いました。知らない人じゃ、ないから。どうしても「もっとこういうところを取材してほしかった」という気持ちは、出てきちゃうんですけどね。

2025年8月31日に山中湖で行われた『忌野清志郎55th & SWEET LOVE SHOWER 30th presents SWEET LOVER SOULS』の映像も収録。Rei 、ジェットセイヤ(go!go!vanillas)、梅津和時を中心に、Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)、アイナ・ジ・エンドらをヴォーカルとして迎えたステージの模様は、今も清志郎さんの曲が歌い継がれていることを感じさせてくれます。©2026 Kiyoshiro Movie Project

スカパラも登場!©2026 Kiyoshiro Movie Project

関川:それでも映画館で清志郎さんを観られることは、ファンとしては嬉しいです。

 

『月刊宝島』で取材を何度も、何度もさせてもらって、いろんな話をするようになって。で、清志郎さんに子どもができて。ももちゃんが生まれて、「子ども可愛いですか」と聞いたら、「いや……可愛いよ」って。「絶対に結婚して子どもを作るべきだよ」って言われて。あ、そうなんだ、と思ったんです。当時、個人的には結婚ってどうなんだろうと思ってた時期だったんですよ。でも清志郎さんがいいんだったら、本当にそうなんだろうな、と。「結婚なんか何の意味があるんだ」と思っていたけれど、それを変えてくれたのは清志郎さんの言葉でしたね(編集部注:現在、関川はお孫さんにメロメロだそうです)。だから娘さんがこの映画で語っていたことは、嬉しかったですね。……「石井さん」は出てこなかったね、やっぱりね(笑)。

「石井さん」とは、清志郎さんの奥様の旧姓です。

関川:ただ、清志郎さんのお母さんのお話が映画で出てきたでしょう。あのお話は、すごくよかった。お母さまの写真も初めて見ました。以前インタビューした際に「なんで清志郎さんってそんなに反体制的というか、強い信念があるんでしょうか」と聞いたら、「いやー、どうかな。教育かな」みたいなことを言っていて。教育って何なんだろうな、と思った記憶があるんです。

 

今の 60代後半とか 70代の人間って、私も含めていわゆる「戦後教育」ってやつで。戦争が終わって、先生たちももうみんな「よかった!」「子どもたちのためにも、二度と戦争を起こすような社会を作っちゃいけない」という感じだったし、教師たちそのものも戦争反対についての強いメッセージを持っていたんです。それらは自然と学校教育に現われてくる。それでまあ、現在、要するに……ものわかりの悪いジジイが多くなっているんだと思いますけど(笑)。今の若い人たちには「なんでこんなにものわかりがいいの?」と驚くこともあるんです。どちらかが間違っているということでは、なく。清志郎さんが言っていたのはそういった学校教育に加えて、お母さんの思いもあったんだと合点がいったんです。あのシーン、よかったですね。

日比谷野外大音楽堂はキヨシローファンにとってもロックの聖地。RCサクセション時代からソロ活動に至るまで数々の名演がここで繰り広げられました。©2026 Kiyoshiro Movie Project

関川:私が清志郎さんに取材でお会いしていたのは、RCの初期のころが主だったけど、最近よくそれ以降の、RCが一旦活動休止していろんなバンド名だったり、ソロ活動だったりしていたころの音源を聴いたりしています。それが、すごく面白いんです。改めて「こんなことを歌っていたんだ」と気づいたり。清志郎さんって、メッセージだったりパフォーマンスだったり、確かに極端だったこともあったかもしれないけど、今でも教えてくれることがいっぱい、あるんですよ。

『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』
出演:忌野清志郎
三浦友和 竹中直人 三宅伸治 泉谷しげる 梅津和時
角田光代 金平茂紀 百世
SWEET LOVER SOULS:Rei ジェットセイヤ(go!go!vanillas)
休日課長(ゲスの極み乙女、DADARAY、ichikoro、礼賛) 渡 和久(風味堂) 梅津和時
Deu(PEOPLE1) Ito(PEOPLE1) Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)
アイナ・ジ・エンド jo0ji 茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)
東京スカパラダイスオーケストラHorn Section
監督:相原裕美
エグゼクティブ・プロデューサー:佐藤現 案納俊昭
プロデューサー:宮本泰宏 武井哲 高根順次 竹下新悟
ラインプロデューサー:和田朋紘 岡田敏志
撮影監督:諸沢利彦 照明:鈴木大地 録音・整音:井筒康仁
サウンドエンジニア:小西康司 編集・カラリスト:茶圓一郎
アニメーションディレクター:伊藤有壱
制作協力:Padma
制作:スペースシャワーエンタテインメントプロデューシング
配給:東映ビデオ
2026年/日本/カラー/ビスタ/Digital/5.1ch/124分
公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/kiyoshiro-movie/
© 2025 Kiyoshiro Movie Project

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