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よしひろまさみち

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モヤったら笑ってQOL向上!映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』『ダム・マネー ウォール街を狙え!』よしひろさん推薦の新作コメディ

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笑撃の実話をコメディの達人が映画化
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

FIFAサッカーワールドカップ(W杯)の予選で1ゴールも入らないどころか、31点差で大敗。そこから1点をとるために這い上がったチームがあったことをご存じ?世界最弱と言われた米領サモア代表チームの笑撃実話を、『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)などで知られるコメディの達人、タイカ・ワイティティ監督が映画化しました。彼に話を聞いちゃったよん。

 

「この実話は、ドキュメンタリー映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』(2014年)で知ったんだ。あまりにもドラマティックで、僕が脚色したらすごくいい映画になると思って着手した。米領サモアチームはあの奇跡的な大敗をしたのに、かなりのんびり屋が揃っていたり、島独特の伝統を守るといった強い個性があるんだけど、特にすごいと思ったのはジャイヤの存在だね。おそらくほとんどの人が知らなかったであろう、“ファファフィネ”というポリネシア文化の伝統的かつユニークな一面を教えてくれるキャラクターのひとり。彼女はトランスジェンダーの選手として堂々と公式試合で活躍した最初の人。FIFAに限らずスポーツの世界にある不平等の問題に目が向けられるようになったのは、彼女の影響があったからこそだと思うよ。彼女はFIFA平等親善大使兼スポークスパーソンを務めているほどなんだよ。あ、ファファフィネについての詳細は映画本編を観てくれれば理解できるよ(笑)」

Taika Waititi 1975年8月16日、ニュージーランド生まれ。コメディ劇団でキャリアを積み、2014年の『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』で世界的な評価を集める。『ジョジョ・ラビット』(2019年)ではアカデミー賞で6部門候補入りし、脚色賞を受賞した。
photo:Leon Bennett/Getty Images

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』
story W杯予選史上最悪の0対31で大敗を喫した米領サモアのサッカー代表チームに、立て直しのためにFIFAから新たなコーチが派遣される。ところがそのコーチ、トーマス(M・ファスベンダー)も問題を抱えて崖っぷち……。
監督・出演:タイカ・ワイティティ/出演:マイケル・ファスベンダー、オスカー・ナイトリー、エリザベス・モス ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:2月23日より全国ロードショー
© 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』公式

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text:MASAMICHI YOSHIHIRO 
otona MUSE 2024年3月号より

WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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