CULTURE

Sia初監督作品から懐かしの名画まで。
3月に観たいミューズなシネマ5選

映画ライターよしひろまさみちが、今月もマストな映画をモリモリお届けします〜!

01
坊主頭のケイト・ハドソンが
Siaの曲で踊ります
『ライフ・ウィズ・ミュージック』

ゴールデングローブ賞でミュージカル・コメディ映画部門の作品賞などにノミネートされた『ライフ・ウィズ・ミュージック』。これ、すごいんですよ。Siaが監督、脚本、楽曲制作を務めたという、Siaの脳内物質放出映画。この作品で髪をばっさり切って主人公ズ一を熱演したケイト・ハドソンに話を聞きました。 「私が歌ってるインスタグラムを見たSiaがオファーしてくれたの。 Siaがミュージカルを作るなんて聞いたら、断るわけないでしょ。彼女とこの企画のことを話していたとき“髪、剃ってくれる?”って言われたんだけど、それも即OKしたし、劇中で歌うことも踊ることもすっごい楽しんだのよ(笑)。私が演じたズーは、自分は愛される価値なんてないんじゃないか、って思ってる女性。人って多かれ少なかれ、そういう気持ちがあるものだし、私も共感したのよね。妹のミュージックのお世話をすることになってから、彼女の人生はまるで違ったものになっていくのよ。そのメッセージ性がとても好きだわ」

story 祖母と共に暮らす自閉スペクトラム症のミュージック(M・ジーグラー)。祖母の急死に伴い、疎遠だった姉ズー(K・ハドソン)が彼女の保護者に。ところが、ズーはミュージックとの暮らしには慣れず、隣人のエボ(L・オドム・Jr)の手を借りることに。

監督:Sia/出演:ケイト・ハドソン、マディ・ジーグラー、レスリー・オードム・Jr ほか/配給:フラッグ/現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中 ©︎2020 Pineapple Productions, Inc. All Rights Reserved.

『ライフ・ウィズ・ミュージック』公式

02
アカデミー賞6冠の名作が
鮮明になってスクリーンへ
『フォレスト・ガンプ/一期一会』

アカデミー賞で作品賞を含む6冠に輝いた1994年の名作『フォレスト・ガンプ/一期一会』が、4Kニューマスター版でスクリーンに帰ってきます。「人生はチョコレートの箱のよう。開けてみないと中身はわからない」など、人生を豊かにしてくれる名セリフの数々を生み出した作品が、色鮮やかなくっきりはっきり映像でスクリーンで楽しめるのは今回こっきり。アカデミー賞シーズンだけに、今年の関連作を楽しむのもいいけど、こちらも一緒に楽しみましょ。

story 個性的だが素直で心優しいフォレスト・ガンプ(T・ハンクス)は、アメフトのスター選手になった後、ベトナム戦争の従軍で受勲するなど、数奇な人生を歩む。だが、彼の心はいつも、幼いころに運命的に出会ったジェニー(R・ライト)への思いでいっぱい……。

監督:ロバート・ゼメキス/出演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト ほか/配給:シンカ/現在、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー中 ©︎1994 by Paramount Pictures.All Rights Reserved.

『フォレスト・ガンプ/一期一会』公式

03
びっくり技術のドキュメンタリー
『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』

ドキュメンタリー映画にも色々あるけど、取材を受けたことがバレたら命が危ない、なんてことも。取材対象が危険にさらされることを防がないといけないですよね。『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』は、その未来形を提示した作品。LGBTQの人権が障害されているのに、なかなか外には広まらないチェチェンに潜入し、当事者に取材重ねている作品ですが‥‥なんと取材対象は他の人の顔に差し替え! AIによるフェイク映像で安全を確保しているんですよ。

story 性的マイノリティであることが罪とされるロシア・チェチェン共和国。現地のLGBTQ活動家は秘密裏にネットワークを構築し、地下活動で彼らの安全を守ろうと努力する。その様に密着し、取材対象には最新技術を駆使して別の顔を合成したドキュメンタリー。

監督:デヴィッド・フランス/配給:MadeGood Films/公開:現在、ユーロスペースほか全国順次ロードショー中 ©︎MadeGood Films 2022 All rights reserved.

『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』公式

04
ホロコーストを斜め上から観るアニメ
『アンネ・フランクと旅する日記』

ホロコーストを描いた映画は数あれど、この視点はなかった!とポンと手を打つ作品が公開です。『アンネ・フランクと旅する日記』は、『アンネの日記』 の著者アンネ・フランクが主人公‥‥じゃないんです。彼女のイマジナリーフレンド・キティーが日記から現代のアムステルダムに現れて、戦中の歴史をたどるという異色作。重めのテーマだけど、ポップなアニメで彩られて物語がスルスルと頭に入ってくるんです。この体験は唯一無二!

story アムステルダムにある博物館「アンネ・フランクの家」に保管されている『アンネの日記』オリジナル版から、アンネの空想の友達キティー(R・ストークス)が現れる。現代に出現した彼女は、アンネの行方を探し始めるのだが……。

監督:アリ・フォルマン/声の出演:ルビー・ストークス、エミリー・キャリー ほか/配給:ハピネットファントム・スタジオ/公開:現在、TOHOシネマズ シャンティほか全国ロードショー中 ©︎ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND

『アンネ・フランクと旅する日記』

05
古典ミュージカルで息抜きしません?
『テアトル・クラシックス ACT.1
愛しのミュージカル映画たち』

近年ミュージカル映画がプチ流行してますが、そのブームは昔もあったんですよ〜。そんな40〜80年代に製作された名作の数々を上映する「テアトル・クラシックス ACT.1 愛しのミュージカル映画たち」が東京から全国順次開催されます。特に注目は劇場版「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998年)の劇中、キャリーがアシスタントの「セントルイスのルイーズ」からクリスマスプレゼントで渡されたDVDの『若草の頃』よ!

上映作品『若草の頃』(1944年)、『イースター・パレード』(1948年)、『巴里のアメリカ人』(1951年)、『紳士は金髪がお好き』(1953年)、『上流社会』(1956年)、『ビクター/ビクトリア』(1982年)公開:現在、シネ・リーブル池袋ほか全国公開中

テアトル・クラシックス公式

selection&text:MASAMICHI YOSHIHIRO

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