CULTURE

THU.03.31
2022

祝!『ドライブ・マイ・カー』
よしひろまさみちが第94
アカデミー賞を振り返る【前編】

LA時間327日に開催されたアカデミー賞授賞式。良くも悪くも歴史に残ることがてんこ盛りだった今回のアカデミー賞授賞式について、この1カ月さんざん予想やらなんやらしてきた映画ライターのよしひろが総評しちゃいます。前編は『ドライブ・マイ・カー』とビリー・アイリッシュのパファーマンスについて。

まずは『ドライブ・マイ・カー』おめでとさん!

カピバラさんみたいに可愛い、歓喜の濱口監督。
photo:AFP/
アフロ

とりあえずは、授賞式前からほぼ当確だった国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』のこと。おめでとさんです。いやはや、当確のフラグが立っていたものの、素直にうれしいですねー。なんせあたし、昨年の公開時から激オシ作品だったので、個人的に超嬉しいのん。作品賞、監督賞、脚色賞を逃した、って言う人もいるけど、ノミネートされただけでもすごいことなのよ。だって、この主要3部門の前哨戦にあたる全米映画製作者組合賞と監督組合賞、脚本家組合賞のどれにもノミネートすらされていなかったダークホース中のダークホース。むしろ、ノミネートされたこと=それらの部門のプロをうならせたってことなのよ~。

授賞式での注目は、これまで国際映画祭の授賞式で何度も登壇している濱口竜介監督が初めて通訳なしの英語スピーチをしたことね。関係者やキャストへの謝辞を自分の口で言いたい、ってことで、通訳さんに訳してもらったものをまるっと覚えたそうな。それであの流暢さは、おそらくその場にいたキャストの皆さんもびっくりのセリフ覚え。おまけに、スピーチ前半シメの「ありがとう」で終わらせようとした舞台進行さんに「まだ! もうちょい!」とアドリブまで入れて完璧なスピーチ。ゴイスー。

ベスト・パフォーマンス賞は、
ビリー・アイリッシュね

いえ~い、007さんきゅー!
photo:
ロイター/アフロ

アカデミー賞授賞式の見どころの一つは、歌曲賞候補者たちによるライブ・パフォーマンスよねー。今回の受賞作は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌で、ビリー・アイリッシュが歌う「No Time To Die」。もーね、このパフォーマンスがすんばらしかったのよ。ビリーと兄フィニアス・オコネルが弾くピアノのデュオ+オーケストラピットにいるフルオーケストラによる生演奏。凝ったセットなしのすごくシンプルなステージングだけに、たっぷり聴かせてくれたって感じで悶絶だったわ。

あ、もちろん他のアーティストも最高だったわよ。『ミラベルと魔法だらけの家』の主題歌「Dos Oruguitas」はライブでパフォーマンスするのは初めてのことだったし、授賞式の冒頭で収録ビデオによるパフォーマンスを披露したビヨンセの「Be Alive」(『ドリームプラン』主題歌)なんて、ビリーと逆に凝りまくりの特製ミュージックビデオでテンションあげあげ。

全編はここまで。後編は、作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』と、世界中を騒がせたあの事件について。明日41日に公開します。

よしひろまさみち
本誌のほか、数多くの媒体で映画に関する企画の編集・執筆を行う。「本当におもろいもんしか紹介しない」がモットー。編集部も全幅の信頼を置いており、観る作品に困ったらとりあえずよしひろさんに聞いてます。

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