骨格診断アナリスト・棚田トモコさんが解説。大人が自信を持って脚を出す鍵は「骨格」にあり!
久しぶりの脚見せ提案に、戸惑いを隠せないであろう皆さん! 若くてキレイな脚でないと露出は無理だと思っていませんか? 実は自分の骨格タイプを知ることで、年齢や体形に関係なく、大人が無理なくミニスカートやショートパンツに挑戦できる肌見せテクニックが存在します。大人がポジティブに“脚見せ”をする秘訣を、骨格診断アナリスト棚田トモコさんと本誌編集長がトーク!
本誌編集長渡辺(以下W) 今月号の大きなテーマは「ミニスカートとショートパンツ」。創刊してはや8年、脚を出そうよという大きな特集をするのは初めてなんです。
棚田トモコさん(以下T) そうなんですね! 確かに今、30代、40代の女性って、ほとんどミニ丈をはいていないですよね。
W まさにオトナミューズ世代が揃っている編集部でも半数以上は「私たち、いまさら本当にミニがはけるのかな?」と思ってる。だからこそ、ただ着こなしのHOW TOだけでなく、骨格診断で「私の骨格は〇〇タイプだから、〇〇が似合う」っていうのが分かれば、より脚を出してみようかなって、背中を押してもらえる気がして。
T そうですね。骨格診断で自分のからだの特徴を知ることで、似合うファッションが見えてきます。ミニに限らず分かったほうが、納得して着られるし、自信にもつながりますね。
W ぜひ躊躇している大人の背中を押してほしい! おしゃれの選択肢って、たくさんあるほうが楽しいじゃないですか。
ここ数年、骨格診断ってよく耳にしますが、
そもそもいつからあるんですか?
T 骨格診断自体は、約30年前に骨格診断研究家・柘植裕子先生が「骨格構造によるファッションコーディネート理論」を確立し、その原型を受け継いで「骨格診断メソッド」というものが確立されました。
W 日本発祥なんですね。確かに海外ではあまり聞いたことがないかも。どうして今、こんなに盛り上がっているんですか?
T 私が思うに、ランキングの時代みたいなものが終わって、誰が一番とかではなく、自分の好きなものを追求していい時代になったのだと思います。〇〇さんのようになりたい! というよりも自分のよさを発揮するにはどうしたらいいのか、生きやすくするためにはどうすればいいのか、っていうことをみんなが追求し始めた。
W まさに風の時代、自愛ですね。オトナミューズ世代が若かりしころって、自分軸というよりは、常に絶対的なアイコンがいて、みんなその子に憧れた。安室ちゃんみたいにミニをはきたくて無理なダイエットをしたり……。ただ漠然ともうちょっと痩せたいとか、ここをこうしたいとかはあったけど、自分のからだを分析しようなんていう考えはなかったなぁ。
骨格診断で自分のからだを知れば、
どう脚を出すと美しいか分かりますか?
T では骨格診断について具体的に話していきますね。骨格診断とは持って生まれた肌の質感、筋肉、脂肪の付きかた、骨の大きさや関節の位置を見極めて、「ストレート」「ナチュラル」「ウェーブ」の3タイプに分類します。太っていても痩せていても、年齢や身長は関係なく、自分に似合うファッションを知ることができます。
W どんな特徴があるんでしょうか?
T 「ストレートタイプ」は筋肉が付きやすく、からだに凹凸があって立体的。服が一番キレイに着こなせる体形です。筋肉のハリがあるゆえに、太って見えやすいという落とし穴があるので、肉感を拾わない生地や、直線的なシルエットを意識して選ぶのがオススメ。「ナチュラルタイプ」は骨格がしっかりしているので、ファッションもヘアスタイルも作り込み過ぎない無造作な感じがおしゃれに決まります。ただ、横から見たときに立体的ではないから、骨っぽさや薄さをカバーするためにもビッグシルエットな服を着るのがスタイルアップの鍵。「ウェーブタイプ」は全体的に華奢でからだに厚みがないのが特徴で、儚げな印象になりやすいので、華やかなディテールの服で、盛り上げてあげるファッションが似合います。
W なるほど! 骨格タイプを知ることで自分のからだのどこをどう隠して、どこを露出したらスタイルよく見えるか、ポイントが分かりやすくなりますね。
T これまでは、体形を無視して、ひとつの理想に向かっていって、似合わないとあきらめてしまう場合も多かったと思いますが、骨格タイプを知ってアプローチを変えれば、やりたかった着こなしも似合うようにできるってことです。
W いいですね。今、日本では若い女性ですらミニをはかない時代で、そんななか、ミニをはいている人たちはみんな脚がキレイな人が多いから、年齢を重ねてすごく自信満々な訳でもない脚を出すのは恥ずかしいというオトナミューズ世代の気持ちも分かる。でも、そうやって年をとっていくことを理由に、着る服の選択肢を自分でどんどん減らしていったら、おばあちゃんになったとき、つまらないじゃないかって思うんです。
まずは思いきって脚を出してみたらいい。
周囲も自分自身も見慣れるだろうし
T ファッションは着ている自分が心地よくて自信を持てることが一番重要だと思うので、全てのトレンドに乗る必要はないと思うんですが、一切遮断すると思考も感覚も老けていきますよね。
W そうなんです。4月号の表紙に登場していただいた宮沢りえさんがインタビューのなかで「トレンドがあることによっていつもの自分の好みとは違うものを着てみたいって思えるほうが絶対に楽しい」とおっしゃっていて。まさにそれだよなと。最初から無理と思わずチャレンジすることで、新しい自分が見えてくる。
T 大人になるとそぎ落として似合うものを突き詰めがちですが、それとは違うベクトルで、新しい服をどうやって着るかっていうのを考えることって素敵じゃないですか。その積み重ねで死ぬときが一番おしゃれ! みたいな。夢がありますよね。
W 思いきって脚を出して、新鮮な自分を楽しんでもらいたいですね!
photograph: MAYA KAJITA[e7](still), AFLO, Getty Images(collection&snap) / text: AZUSA SATO
otonaMUSE 2022年6月号より