洒落る眼鏡選びの新常識。
「重要なのは目や眉の形とサイジング」
顔の印象を大きく左右する存在である「眼鏡」。自分に本当に似合う1本を見つけられたらきっと、「センスのいい人」に一歩近づけるはずです。そこで、眼鏡選びの達人を召喚。国内外のアイウェアブランドを展開する「EYETHINK HIROB」のコンセプターである三島正さんに、私達の思い込みを覆す、目からウロコの眼鏡選びのメソッドを教えていただきました。
眼鏡選びで重要なのは
骨格ではなく目や眉毛の形
眼鏡選びのポイントは“目の表情を大切に、かけた人の魅力を最大限に引き上げる”こと。面長や丸顔という骨格より、目の形や位置、ブロウライン等を重要視して似合うものを提案しています。目の位置に合っていないシェイプの眼鏡を選ぶとアイコンタクトが取れていない印象になったり、眉毛は曲線なのにフレームは直線的なものを選ぶと、顔のなかで混線しているような印象になったり。骨格だけで選んでしまうと、このようなポイントがおざなりにされたまま、似合うフレームの形が一択しかないような提案になってしまいます。
また、僕がコンセプターを務める「EYETHINK HIROB」では、スタンダードでタイムレスをコンセプトに掲げ、その人のワードローブに時代を超えて馴染むような眼鏡は何か熟考した結果、クリア、ブラック、ブラウン、ゴールドという4つの色を軸としたカテゴリーで商品を見せる構成にしています。この4色のなかから選べば、ワードローブにマッチするのはもちろん、今はおしゃれの目的で購入したとしても、将来は老眼鏡にできたり、タイムレスでエターナルな1本が見つかるはずです。
まず、眼鏡を持っていない、苦手だ、という方には、ぜひクリアフレームを試していただきたいです。実は黒縁などよりも肌なじみがいいので、普段のスタイリングにも邪魔になることなく、ニュアンスをプラスできます。それでも抵抗感がある方は、ぜひゴールドフレームを。ゴールドと言ってもシルバーに近いゴールドからコッパー、イエローゴールドなど、カラー展開も豊富。ぱっと顔回りを明るくしてくれるジュエリーのような感覚でかけられるのでオススメです。初めての眼鏡は黒縁やブラウンと思われがちですが、実は玄人向き。癖が強くアイコニックに見えるので、普段のコーディネートにハマらず、一歩間違えるとただ目が悪い人に見えるので要注意です。一方で、ぐっとモードな印象にもなるので、シンプルなスタイリングにアクセントとして落とし込むのも素敵です。
デニムのようにサイジングを
意識すると似合うものが見つかる
例えば、目がぱっちりしている方は縦に幅があるので、太めのフレームだとフレームとアイラインの間に余白がなく窮屈な印象になってしまうので、レンズのサイズは変えずにフレームだけ細くすると似合うようになります。同じフォルムでも素材やカラー、サイズを変えることで、かなり印象が変わるんです。目のサイズも人それぞれなので、眼鏡もデニムを選ぶように、XS〜XLサイズのなかから、目にフィットするものや、ファッションのバランスで大きいサイズを選んでみて。
似合わないと思っていた形やカラーも、このセオリーでかけかえてみれば、きっと似合うものが見つかるはずです。普段のスタイリングにニュアンスをプラスし、格上げしてくれるような眼鏡を見つけて、この夏は街に繰り出してみてはいかがでしょうか?
いかがでしたか? 次回からはクリア、ブラック、ブラウン、ゴールド4色のそれぞれのおすすめアイテムと、おしゃれ業界人の眼鏡を取り入れたスタイリングをご紹介します。
photograph: SHO UEDA(still) / styling:MOMOKO SASAKI
otonaMUSE 2022年9月号より