「いろんな流行りを追っても、結局戻る場所は“デニム”」梨花さんのお気に入り【デニム】3選
個人的に、リーバイスのデニムは、ヴィンテージが好き。世界中でリーバイスとの出会いを探しています。見つけたときは「やった!」とガッツポーズ。オレンジタブのものが好き。はき込んだ柔らかい味が、年月とともに生まれていく感じに愛着が出るのが、たまらない。新品だと、自分の好きな味がなんだか出ないんです。色は基本的に、ブルーデニムの薄めが好き。ときどき濃いめのノンウォッシュ系や、ブラックデニムをはくこともあります。これからトライしたいのは、色が濃いめのハイウエストのジャストサイズのフレアデニム。ケイト・モスが90年代に着ていたみたいなスタイルがイメージです。今運命の出会いを求めて探している途中……。
今回の撮影は、真夏の暑い日だったので、(私服は)肌なじみのいいNU SWIMのチビTのネイビー × ヴィンテージのリーバイス517 × 白いビーサンという飾らないスタイルで。ベルトは白いベルトに絶賛ハマり中。最近は、今日ショートパンツのコーデで着用したようなサラッとしたシャツにもハマっていて、シャツ × デニムのコーディネートも多いです。シャツの裾を結ぶのが、なんか好き。今日の撮影で一目惚れしてお買い取りしたヴィンテージのグレー系チェックのディオールとブルー系ストライプのサンローランのシャツも、デニムスタイルに合わせて通年楽しむつもり。デニムのときの靴は、スニーカー、ビーサン、ミュール、ブーツにローファー。基本的に季節と気分で選んでます。今はローファーがブームかも。今っぽさは、靴で出すのが好きです。
デニムに限っての話ではないのだけど、服って最初に着たときは似合わなくても、「好きだから絶対着たい」と思ったら、数カ月ぐらいはとにかくどこへ行くにも、究極は寝るときも身に着けてみて。そうすると肌になじんでくるから。多分メイクもファッションも何でもそうだと思うんだけど。何においても、似合ってない時期は必ず誰にでもある。それでも“本当に身に着けたい、似合いたい”と思うなら、何カ月間かは、ずっとやり続けること。自分とフィットしてきたら、そこからじゃない? なじませたデニムと自分の本格的なお付き合いが始まるのは……。
今日改めてインタビュー中に気づいたこと。空間の中にどうやって佇むか? ってことが、“私の思うおしゃれ”だと思っていて。服を着たときの仕草やその空間に差し込む光やムードを含めた状況の中で、どうやってそこに佇むか? それを想像するし、空間を含めたトータルの女性像を作るのがとても好きなんです。毎日のデニムのコーデもそういった“空間の中に佇んでいる感じ”“ここにいるこの人”をイメージして組んでます。自分が空間の中にどう存在するか? リップの色や靴のディテール、髪の毛の動き、デニムのラインやトップスの色も、これから行く空間の中でムードを醸し出し、映えることを大切に考えてます。毎日のファッションを決めるとき、自分のことを“ものすごい引きの絵”で捉えているって最近気がついたの。
毎日たくさんの服やコスメに出会って、自分の鮮度が高まるようにいろいろなスタイルに挑戦しながら、いろんな寄り道をしている最中。自分のよさを一生懸命探しながら……トライ&エラーを繰り返し、結局、最後に戻るのが自分らしいTシャツ(秋冬はニットやシャツ)とデニムのスタイル。これからも何周回っても、またデニムに戻り続ける予感。Tシャツとデニムがあればどこでも生きていけるし、私にとって、一番大事な自己表現だと思ってる。これからもずっと、デニムとの運命的な出会いを楽しみに生きていきます。

photograph: SAYO NAGASE
styling: MAKIKO ITO
hair & make-up: SAYOKO YOSHIZAKI(io)
model:RINKA
composition & text:MIWAKO SHIOTA
otona MUSE 2025年11月号より
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EDITOR
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