今月のカバーストーリー 梨花
ずっとずっと、好きなものたち
オトナミューズ1月号のカバーストーリーは、スタイリスト丸山佑香さんをお迎えして「ずっとずっと、好きなもの」について考察していただきました。色あせない魅力の根源には、理由がありました。
JIL SANDER
女らしさが際立つパンツスーツ
メンズライクなパンツスーツですが、女性が着ても美しいラインが出るのが不思議。それって、現クリエイティブ・ディレクターのメイヤー夫妻の背景を感じる部分で、夫のルークさんはSupremeのヘッドデザイナーを務めた経歴があり、妻のルーシーさんはChristian Diorなど数々のメゾンブランドで腕を磨いてきた方。こういう、「今のジル サンダーだからこうなる」効果も、単純に美しいシルエットも好き。
LOUIS VUITTON
長く愛されるのには、理由がある
私が初めて持ったルイ・ヴィトンのバッグも、スピーディだったんです。親が持っていて。やっぱり、一番好きな形ですね。梨花さんが手に持っているのがオードリー・ヘップバーンが特注したといわれているサイズ。歴史のあるものって、そうやってストーリーを探るのも楽しい。新しいものもいいけれど普遍的で変わらないものなら、スピーディですね。
CELINE
普遍的なテディブルゾン、
やはり梨花さんに似合う
エディ・スリマンがデザインするセリーヌの、メンズのテディブルゾンです。やっぱり梨花さん、これ似合う。前任のフィービー・ファイロのファンの方って多いと思うんですが、エディもフィービー同様、ミリタリーやベーシックが根源にある人なんだな、ということを強く感じさせてくれる「今っぽいのに普遍的」な名品だと感じます。
THE ROW
絶妙なサイジングの一生ものニット
ザ・ロウは、個人的にすごく好きで。デザイナーのメアリー=ケイト・オルセンとアシュリー・オルセンってあまり背が高くなくて、それって日本人と共通する部分だと思うんですけど、ご本人たちの着こなしも注目を集めて。それでデザイナーとしても人気なんだと思うんです。その証拠に、これだけ大きなボコボコしたニットなのに着ぐるみ感がないんです。これはサイズ感のことを緻密に計算しているからなんだろうなと思って。一生もののお値段ですが、価値のあるニットだと感じました。
PEARL
パールの優しい輝き、一生好き
年齢を重ねてスタイルを見つめ直して、この先を考えたとき、パールの素敵さと必要性はもう、語る必要はないのかなと感じるほどです。長さも豊富だし、王道のミキモトのパールは安心して誰にでもオススメできる。もちろん、自分でも使いますよ。
TIERED DRESS
ショートカットが生きる、白いティアード
私はどんな梨花さんも好きですが、髪が長かったらこんなに素敵には着られなかったかもしれない。ショートカットでこの年齢に達したから、そして黒ではなく白だから、ここまでフリフリでも似合うと思ってドレスを持参しました。甘く可愛い梨花さんも、ずっと好きです。
BVLGARI
洗練を極めたコインネックレス
コインネックレスって今すごく流行っていますよね。幸せを運ぶとかハッピーなモチーフといわれていますし、今季取り入れたいなと思っていたときに、本物のコインを使っていて重厚感もあるこちらを見つけて。ブルガリだから成し得たコンテンポラリーな存在感のある1点。トレンドもこんな洗練された雰囲気で取り入れられたら……。大人の理想ですね。
LACE PANTS
センシュアルなレースを足元に
ティアードやフリル同様、レースも一生好きでいたいものですが、レースを使ったパンツって、大人が甘くならずにはけるものって本当になくて。ピーター ドゥで発見して、さすがだなと唸りました。かなり繊細で甘いレースですが、ピリッとしてる。これはまさに、大人がはくべきものだと思います。
photograph:KEITA GOTO[W] / styling:YUUKA MARUYAMA[makiura office] / hair:KOTARO[SENSE OF HUMOUR] / make-up:MASAYO TSUDA[mod’s hair] / model:RINKA