フリーアナウンサー 小山瑶の
海外生活 in Germany
Epi.10 「街を歩く ケルン編」
ドイツ・フランクフルト在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。アナウンサー、そしてジャーナリストとしての視点を交え、ドイツの情報をいろんな角度から伝えていただきます。コラムを掲載してから早くも今回で第10回目! 今回は、誰もが知るケルンをご紹介します。
ケルンの象徴
世界遺産のケルン大聖堂へ
ベルリン・ハンブルグ・ミュンヘンに次いで人口が多い都市、ケルン。1世紀にローマ人の植民地でもあったことからラテン語で植民地を意味する「Colonia」が語源となり、現在のケルンという名前になっているそうです。ライン川の中流に位置し、陸上・水上の要所として栄えてきました。ちなみにオーデ・コロンの発祥の地でもあるんですよ。
そんなケルンで誰もが知っている建築物が〈ケルン大聖堂〉。1996年に世界遺産に登録され、ドイツ三大大聖堂のうちのひとつです。ケルン中央駅前の広場に出てすぐ、目の前にそびえたつ大聖堂の圧倒的なスケールに、誰もが驚くはず! 写真を撮ろうとしても画角に収まりきらないほど大きく、今まで見てきた大聖堂の中でもその大きさはトップクラス。それもそのはず、高さ157m、奥行き144m、幅86m。ゴシック様式の建築物としては世界最大を誇ります。ドイツ国内でも観光客数は一番多く、外国人観光客だけではなくドイツ人からも人気なんだとか。
聖堂内の円天井とアーチを描くかのような建物構造は、まるで天へ導くかのような壮大さ。大きな窓にはめ込まれたステンドグラスに差し込む光は神々しく、息をのむ美しさでした。この日はミサが行われており、聖堂内は言葉にできないほど神聖な空気に包まれていました。
まるで夢の世界⁉
リアルチョコレート工場に潜入
私の大好きな映画のひとつに『チャーリーとチョコレート工場』があります。初めて見た時の衝撃と夢の詰まった作品に、私もいつかこんなところがあったら行ってみたい! と思ったのを、今でも鮮明に覚えています。チョコレートは世界共通、きっと誰もが大好きなスイーツ。そんな夢と希望が詰まった世界がケルンにあると知ったときは、嬉しくてたまりませんでした。
ケルンにあるのは、スイス発祥のLindt(リンツ)チョコの博物館「Schokoladenmuseum」です。1993年にできたこの博物館は毎年60万人近くが訪れるほど大人気で、今ではケルン市内で最も訪問者の多い文化施設となっています。
そんな博物館の内部を、今回はたくさんの写真と共にお届けしていきたいと思います。
チョコレートミュージアム
気になる内部に潜入!
チケットは窓口での購入の他、オンラインでも購入することができます。入場料は大人が13.5€。博物館の扉が開いた瞬間、ぷわ〜っと生暖かいチョコレートの甘い香りがしてきました。入場とともにリンツチョコが貰えるという、なんとも嬉しいおもてなしも。施設は3階まであり、チョコレートの原料についての歴史やリンツチョコがこれまで販売してきた商品の展示のほか、商品がどのように作られているのか、私たちの手元に届くまでの過程を知ることができます。
①商品の原料配分や歴史の展示エリア
個人的にリンツチョコのバニラが大好きです。バニラは一目瞭然ですが、ミルクとダークでこんなにも配合に違いがあるとは思っていませんでした。他にもカカオ豆の5000年にわたる歴史の説明などもありました。
②製造エリア
製造エリアでは、カカオ豆の粉砕、混合、圧延、コーティング等の一連の工程を見ることができます。なかには、ベルトコンベアにのせられた出来立てほやほやのチョコレートを試食できるコーナーもありました。
③袋詰めエリア
商品を袋に詰める最後の作業は人の手によって行われていました。こちらでは毎日約400㎏ものチョコレートを生産しているそうです。私たちが食べるリンツチョコレートは、多くの人の手間とたくさんの時間が詰まっているんだと実感できました。
④夢のチョコレートファウンテンエリア
美術館の目玉がこのチョコレートファウンテン。美術館のために作られたこのファウンテンは、常時200㎏のチョコレートを使用しています。もちろんリンツチョコレートの原液そのもの。ウエハースに付けて試食させてくれました。
⑤お土産エリア
3€でできるチョコレートガチャのような機械や、昔ながらのチョコレートのパッケージフィギュアも展示されていました。最新のものと昔からあるものの組み合わせが、なんとも趣のあるチョコレートショップのようでした。
サマータイムが終わり、日本との時差は8時間に。日没も早く、夕方6時には外はもう真っ暗。ドイツ在住者はこの時期になると「ビタミン剤買った?」と口を揃えて尋ねてくるそう。多くの人が日光を浴びられる時間が少ないために、ビタミン剤を服用しているんだとか。私も買わなくては!
そして、もうすぐクリスマスの時期。ドイツといったらクリスマスマーケットですよね。11月は各地のクリスマスマーケットを巡る予定なので、その様子もコラムでお伝えしますね。ぜひお楽しみに!
Vielen Dank!
Schokoladen museum Lindt
Rheinauhafen 1a, 50678 Koeln
text : HARUKA KOYAMA