LIFESTYLE

木津明子

木津明子

自分を、相手を守る。性についてのお話会【こども食堂レインボー】「相談できる3人の大人を見つけよう」

助産師の日野川真由美さんと木津。小さな子にも分かるように、優しい言葉で大切なお話をしてくださいました! 色々準備もしてくださって、子どもたちも真面目に飽きずに最後までお話に聞き入っていました。

オトナミューズやモード誌を始め、さまざまなファッション雑誌やテレビなどのスタイリングで活躍中の木津明子さん。木津さんが2021年8月から仲間と運営を始めた子ども食堂が【こども食堂レインボー】です。場所は木津さんの住む神奈川県横浜市磯子区洋光台。活動は月に2回ほどの開催で続けられています。さまざまな方々や団体からの支援、木津さんとその仲間のスタッフ、そしてキッズスタッフたちの力を合わせて運営している【こども食堂レインボー】の活動の報告を主催する木津さんよりのメッセージの形で毎月ご紹介してきます。今回は普段なかなか話しにくい性のことについてのお話会を開催、そのレポートです!

木津明子のこども食堂日記vol.29はこちら

木津明子の子ども食堂日記vo.30「性についてのお話会開きました」

今年、スギ花粉の花粉症を発症してしまったような……。ここ数年、花粉症かもしれないなとは薄々思っていたのですが、ここ数日の強風で大量に飛散しているであろう花粉、雨の翌日に一気に飛散する花粉……に確実にダメージを受けています。撮影現場でも花粉の話で持ちきり。「今年なんか花粉多くない? 薬飲んでも効かなくて」なんて会話があいさつ代わりのようになっています。花粉症を恐れているのに、薬の服用を忘れて朝出てきてしまいがちな、花粉症初心者の木津明子です。

 

さて、みんなどう子どもに伝えていったらいいのか、立ち止まってしまいがちな【性のこと】。子ども食堂をやっていく中で、子どもたちやお母さん方からいろいろな悩みを聞く機会があり、なにか【レインボー】で企画できないかなとずっと考えてきました。私自身も、娘が生まれたときからずっと彼女が性的な被害にあわないようにと、皆さんと同じように、いや、ひと一倍願ってきました。それは自分自身の幼少期に起きた不思議なできごとを大人になってから「あれは性的なことだったんだ」と気付いてしまい、どんなに小さな記憶が曖昧なころの体験であっても、嫌な気持ちは消えないことを実感しているからです。

 

【レインボー】の近所でも軽いトラブルの話が聞こえてきたので、この機会に、自分を守っていくこと&相手を守っていくことを話す会を開きたいと思っていたところ、ちょうどスタッフゆみの紹介で助産師の日野川真由美さんに出会うことができました。

助産師の日野川さんは、男女のからだの違い、どうやって赤ちゃんが生まれるのかについて、ていねいにお話してくださいます。

スタッフゆみの紹介で、お話会の講師に来てくださった助産師の日野川真由美さん。小学校低学年から大人にも分かりやすく、ためになるお話をていねいにしてくださって感動。家庭でもなかなか上手に子どもに伝えにくい内容だけに、子どもと家で話すきっかけになったと、好評でした。

こども食堂レインボー_日野川さんのお話②

子どもたちにとって学校よりも気楽に、でも家でよりは少し真面目に話を聞くことができるのが、子ども食堂の利点。少人数なので質問もしやすいし、リラックスしていると話もより理解できますよね。

日野川さんはまず男女のからだの違い、どのように赤ちゃんが産まれてくるのかについての話をしてくださり、綺麗な色のハートの紙を配りました。ハートの紙には光に透かして見えるくらいの小さい穴が開いていて、それは受精卵の最初の大きさなんだそう。人間はみんなこんな小さい卵から大切に大切に10カ月間お母さんのおなかで育ち、生まれてきた大切な命であるということ。そこからみんなそれぞれ違う人間で、パーソナルスペースの違いがあること。仲よしのお友だち同士でも、手をつなぎたい子と、つなぐのは嫌な子がいることなどを伝えてくれました。「これは私は嫌なんだよね」と伝えるのが苦手な子も、少しずつ練習してちゃんと自分のことを言えるようになっていこうねというお話は、大人の私にも響きました。自分自身のパーソナルスペースを知り、ちゃんと【嫌】が言えるようになれば、事前に(危険性に)気づくことができ、性犯罪に巻き込まれる可能性が少なくなるそうなのです。

こども食堂レインボー_日野川さんのハートカード①

日野川さんが用意してくださった受精卵の大きさを知るシート。自分たちがみんなこの大きさだったと目のあたりにして、子どもも大人も衝撃を受けていました。

こども食堂レインボー_日野川さんのお話パーソナルスペース

実際に2人1組になって、お互いに近づいて行き「ストップ」と声を出して、自分のパーソナルスペースの確認をしてみました。人によって距離感が異なるので、ご家庭でもぜひやってみてください。

そして、変質者は一見いい人そうに見えることが多いということ。確かにそうですよね、明らかに怖そうだったり、ヘンテコな感じだったら大至急逃げるけど、いい人っぽいなと感じたら子どもたちの警戒心は解かれますよね。犯罪は怪しい場所だけで起きているのではなくて、いつも通ったりしている日常の場所でより多く起きていることも教えていただき、とくに親は普段から気を引き締めていないといけないなと強く感じました。私はまだ小学校低学年の息子が男子トイレに行くたびに中までは一緒に入ることができないことが、ちょっと心配だなと思っていて、そんなときはバリアフリートイレを使用させて前で待つこと。なかったら防犯ブザーを持たせてトイレに行かせることを教えていただき、実践しようと心に決めました。

こども食堂レインボー_イロモノマーケットさん防犯ブザーとお菓子

いつも子どもたちへ気持ちのこもったプレゼントを贈ってくれる【イロモノマーケット】の服部さんから、防犯ブザー&お菓子の詰め合わせセットのプレゼントを頂きました。

日野川さんは子どもたちに、何かがあったときに相談できる3人の大人を決めてください、と言いました。1人だけじゃなくで3人。大人1人だと1つしか意見がないけど、3人の大人に相談して3つの異なる意見を聞けたらいいですよね。その子の悩みを知る3人の味方がいれば、3人がそれぞれの方法で意識してその子を見守ることができる。【レインボー】でもそういった呼びかけをしていこうと思いました。

こども食堂レインボー_日野川さんのハートカード②

最初に日野川さんが配ってくれた♡の紙に、みんなで相談できる大人の名前を書いてみました。

【大切なからだと心を守るためのお話会】は子どもたち(大人の方も)が自分の心にスポットを当てて、自分はこれが好きでこれは嫌だなとか、自分のことを考えることによって相手のことも大切にすることができるよね、と考える絶好の機会となりました。ぜひ家族内や友人同士でも改めて話をする機会を作ってみてください。そこには困ったりしたときに打ち明けられる味方がいます。こうやって話し合っていくことで子どもを守ることにつながると感じました。


助産師の日野川真由美さん本当にありがとうございました♡

WRITER

木津明子

木津明子

ファッションスタイリスト、「こども食堂レインボー」代表/『otonaMUSE』他モード誌を始め数々の媒体で活躍中のファッションスタイリスト。明るく朗らかな人柄にファンが多く、俳優たちからのオファーも多い。「こども食堂レインボー」の主催者でもあり、神奈川県横浜市にて月に2回子ども食堂を開いている。

SHARE

  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

Pickup

Weekly ranking

VIEW MORE