「大人になっても『アメリ』みたいに、本当はもっと自由であっていい」俳優・鈴木球予さんを撮る
BEHIND THE SCENES
分厚い雲が空を覆うなか、撮影開始と同時に太陽の光が差し始めた今回の撮影。「球予さんと目が合った瞬間に確信した」と話すUDAさんが、彼女の中に見た輝きとは。

ブラウス¥41,800(ユークロニア)、ドレス¥77,000(アニエスベー)
ふっと力が抜けた、その先に
撮影の話を聞いたとき、どこかで知っている感覚だと思ったという。
「実はこのお話をいただく少し前から、頭の中にずっと映画『アメリ』のイメージがあって。具体的に何か考えていたわけではないのですが、なんとなくあの世界観が頭の中で浮かんでいて」
そのあとに届いた、今回のテーマ。
「連絡をいただいたときに、あ、これだ! って思いました。突然のお話でびっくりしましたが、無意識のうちに電波を飛ばしていたのかもしれません(笑)」
撮影は、初めて会うスタッフに囲まれた現場だった。
「最初はやっぱり少し緊張していて。雑誌の撮影が初めてだったので、どうしたらいいのか分からなくて、ちゃんとやらなきゃって、気持ちもからだも強張ってしまっていたんです」
そんな空気が変わった瞬間があった。
「UDAさんに『何も気にしなくていいんだよ』って言っていただいて。そこからふっと力が抜けて、求めていた“自分らしさ”が出てきたような気がします」
これまで意識していた“ちゃんとしなきゃ”というしがらみが、じんわりと解けていくようだった。
「こう見られたい、というのがあまりなくて。できるだけ自分らしくありたいと思っているんです。ただ、大人になるとちゃんとしなきゃいけない場面が増えてくるじゃないですか。みんな、いろんな理由をつけてふざけたり、自由でいることをやめてしまう。本当はもっと自由であっていいと思うんです」
今回のテーマとなった『アメリ』も、そうした感覚と重なっていた。
「アメリって、無邪気で自由なんですけど、ちゃんと自分の中に軸がある人だと思っていて。人からどう見られるかよりも、自分がどうしたいかで動いている感じが、すごく好きで。今回の撮影では、新しい自分というより、『これが私のやりたかったことなんだ!』と思えたのが印象的でした。自分では言葉や形にできなかったことが、皆さんの力で具現化されていくプロセスがとっても楽しくて」
現場で印象に残ったのは、スタッフたちの空気。
「大人たちが本気で楽しんでいる雰囲気がすごくかっこよくて。ちゃんとしているけど、ちゃんとし過ぎてない。でも、みんなが向いている方向や目指す先は同じで、それに全力で向き合っている。そのバランスや空気感がとても素敵で。私もそういうふうにいられたらいいなと感じました」
撮影を終えたあとも、その感覚は余韻として球予さんを高揚させ続けていた。
「今でもちょっと不思議な感じがするんですけど、すっごく楽しかったです。まるでずっと夢を見ているようで。このためにこの仕事をしていたのかもって思えるくらい、かけがえのない時間になりました」
Profile_UDA(うだ)/大手化粧品会社にてPRやマーケティング、教育、店頭プロモーションなどさまざまな業務に携わり、その後独立。現在は国内外のエディトリアル、コスメティック、ファッションのキャンペーン広告、ショーなどのメイクアップを担当。2021年に日本の季節にフォーカスした初の著書『kesho:化粧』(NORMAL)を刊行し、話題を集めた。
Profile_鈴木球予(すずき・たまよ)/俳優。1994年生まれ、東京都出身。NHK連続テレビ小説『わろてんか』(17年)の出演をきっかけに、映像や舞台を中心に活動し、自然体の佇まいと無邪気さの中にある芯の強さで注目を集める。ファッションの分野でも存在感を広げ、表現の場を横断しながら活躍中。一人で海外まで足を運ぶほど、大の音楽好きの一面を持つ。
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direction & make-up: UDA[mekashi project] photograph: ITTETSU MATSUOKA styling: TAKANOHVSKAYA
hair: KOICHI NISHIMURA[VOW-VOW] model: TAMAYO SUZUKI edit: MIYU SUGIMORI
otona MUSE 2026年7月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。










