日本人初の快挙。カンヌ最優秀女優賞【岡本多緒&ヴィルジニー・エフィラ】インタビュー「ここに濱口監督いないのはおかしくない?って」
――カンヌでも日本でもさんざん同じような質問されてうんざりされていると思うので……、
多緒 いえいえ。いいんですよ(笑)!
――同じこと載せても面白くないので(笑)。
ヴィルジニー 何聞かれるのかしら(笑)。
――『急に具合が悪くなる』のクランクアップはお二人のシーンでしたか?
多緒 一緒でした。京都の山の上で、パリに一緒に戻ろうって言うシーン。
ヴィルジニー 私、いつもの仕事でクランクアップのときはまったく感動したりとかないんですけど、あのときは違ったんですよ。この作品に関われたことが私の人生において特別で、意味が深いことだったので、あのシーンを撮っているときも、あの風景に電車が通っていくのを見て、まるで人生の通過点を見せられているよう、と込み上げてきちゃったんです。この作品の撮影が終わったら、多緒さんなしで、竜介さんなしで私はどう人生を歩んでいくんだろう……って思ったら泣けてきちゃった。

滝口竜介監督
――あ、作品の旅路はまだまだ続きますよ。なんせ『ドライブ・マイ・カー』なんて、撮影から数えたら最後に受けた映画賞まで、3年くらいかかってますから。
多緒 たしかに。この作品も長く広がっていくといいですよね。私はあのシーンを撮っているとき、風景とヴィルジニーの美しさに見とれちゃってました。ちょうど朝日が昇り始めて、彼女の顔を少しずつ照らし出していくんですが、それが本当に美しくて。じつはあのシーンは私にとって怖かったんです。
――怖い!?
多緒 本読みのときからどうしても感情を抑えられなくて涙が出てしまって。一生懸命おさえようとするんだけど、すればするほど涙が止まらない。だから本番になったらどうしよう、って怖さがあったんですね。やはり感情は滝のように流れてきたんですけど、現場にはその美しさと温かな感動がありました。パリから来たクルーと日本から短い間ジョインしたクルー、みんなが一体化した瞬間だったと思います。

Interview & Text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Stylist_AYA FUNAKOSHI(多緒さん)
Hair_ Eita[iris](ヴィルジニーさん)
Hair & Make-up_MIFUNE[SIGNO](多緒さん)
多緒さん■ドレス¥79,200(CFCL/CFCK Inc.)、イヤリング¥9,240,000、リング¥2,521,200(共にカルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター)
ヴィルジニーさん■衣装は全てサンローラン
EDITOR
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