美容に向き合うことに疲れた40代こそ読んでほしい。AYANAさん新刊書籍『美を、うけ容れる』

自分のことが好きですか?
悲しいかな、はい! と即答できない自分がいます。職業柄、日々パワフルに輝く人と接することが多いせいか、美容が完全に”仕事”になってしまっていることもあり、自身のメンタルにも容姿にも、正直自信はありません。特に40代半ばになって”更年期”という3文字を少しずつ意識するようになってから、その感覚はより強くなりました。そんなときに出会ったのが、この『美を、うけ容れる』というAYANAさんのエッセイです。読み終えて、何かが解決したわけではないですが、少し違う角度から自分を見られるようになった気がしています。
コスメブランド「OSAJI」のメイクアップコレクションのディレクターであり、ビューティライターとしてもさまざまな媒体で活躍するAYANAさん。彼女が紡ぐ言葉やSNSで発信されるコスメ愛にはファンが多く、私もそのひとりです。押し付けがましさが一切なく、さまざまなことに造詣が深く、そしてご本人もおしゃれでとても魅力的。新刊のエッセイは、AYANAさんご自身が40代後半になって心身の不調が続くようになり、ゆらぐ毎日の中で「時代は変わり続けているのに、私だけがその波に乗り遅れている」という不安を抱えながらも、それでも自分を諦めたくないと、自己受容の片鱗を見つけていく一冊(書籍の前書きより)。
前書きには「自分のことを、好きなところもある人くらいに捉えること」とあるのですが、この言葉から引き込まれました。「好き」でも「嫌い」でもなく、その間にある絶妙なな距離感がすごくちょうどいい。綺麗になりたいとはもちろん思うし、いつだって元気で笑顔でいたいとも思う。でも実際には、そうじゃない日もあるし、サボりたい日もあるし、そんな自分に嫌気がさす日だってある。そのすべてを否定せずに置いておいていいよね……と読み進めていて心がラクになる感じがありました。
酷暑で心もからだも疲れた夜、ページをめくっていると明日を今日とは違う気持ちで、ちょっといい気分で迎えられそうな気がしてくる。そんな一冊です。

「美を、うけ受れる」¥1,760(三笠書房刊)
text:HIROKA AMANO










