雨の日に使いたい。スタイリスト風間ゆみえ流の香りとの付き合い方「香水と私の8つの話」vol.3
ONENESS
NEROLI PORTOFINO & OUD WOOD
BY TOM FORD
重ねた香り
陰と陽、対極にあるようなふたつの香りが、あるとき溶け合うように
私の肌の上で偶然重なって、個性ある香りを交える楽しみを知った。
“ネロリ・ポルトフィーノ”。ジャスミンやネロリの華やかさを抱えて、
ムスクとアンバーを膨らませた調香が、
若くなり過ぎない上質さのある陽気な香り。
ギフトで頂いて使っていたのだけど、私には少し明る過ぎるので、
雨の日に使うのが好き。
“ウード・ウッド”。インセンスの官能を静かに引き出しているような、
色っぽくうっとりする媚薬みたいな香り。
これは男性女性どちらがつけていても素敵。
SUCH A SOFTY
724
BY Maison Francis Kurkdjian
包まれる
気配そのものの美しさ、
それは移りゆく白い色の匂い。
この写真からも洗い立てのような匂いを香らせたくて
ほんのりと甘さが漂う清浄な空気、柔らかな白いリネン、カーテン、
ふわふわの白い猫と素足でたわむれた。
晴れた朝も、薄曇りの朝も同じく在るこの香りは、
肌につけるよりもシーツに香らせたいやわらかい匂い。
私の体温が上がるとさらにやわらかさを増した
その白い匂いに包まれる。
Top ベルガモット、アルデヒド
Middle ジャスミンアブソリュート、
ホワイトフラワーアコード
Base サンダルウッド、ホワイトムスクアコード
陽気な微笑みが生まれる幸せな気持ちになる香り。
photograph:BUNGO TSUCHIYA[TRON](image), MAYA KAJITA[e7](cut out) styling & model:YUMIE KAZAMA cat model:CABBAGE(PET-STYLES) art:EIICHI KASHIMURA
2023年 otona MUSE 5月号より