モデル佐田真由美がクリエイターを招き、自由にディレクションしてもらう隔月連載。今月は日本を代表する写真家・映画監督の蜷川実花さんによる美しい桜と真由美さんの世界を堪能ください。

「久しぶりにまゆみん（佐田さんの愛称）をどう撮ろう？といろいろ考えていたら、ちょうど撮影日は桜が満開の時期。そこで今回は、凝ったこともできるけれど基本に立ち返って、カメラ1台でロケすることを決めました。スタッフも共に時代を過ごしてきた、言葉がなくても気持ちを通じ合える安定感と安心感のあるメンバーだったから、雨が降ろうと何があろうと、絶対いい写真が撮れるという自信もあって。“ロケ、まゆみん、いい感じの服”。それでいけるでしょ！と（笑）」

常にハードスケジュールをこなす蜷川さん。当日も早朝に海外から帰国し、空港からその足で現場入り。そんな彼女がロケハンを始めると、朝から降り続いていた雨が止むという奇跡が。

「この仕事をしていると大波小波かかわらず、乗り越えなきゃいけないことがあって。でもみんなたくさん挑戦をして、続けてきたから今日がある。それこそが奇跡。いい年の取り方をしたよねって思いながら撮っていました」

全てのカットを撮り終えると、またポツポツと降り出した雨。まるで写真の神様が味方をしてくれていたような、不思議なパワーに包まれた撮影でした。

MIKA NINAGAWA 写真家・映画監督。写真を中心に、映画、映像、空間インスタレーションを手がける。木村伊兵衛写真賞ほか数々の受賞歴が。2010年Rizzoli N.Y.から写真集を出版。『ヘルタースケルター』（2012）、『Diner ダイナー』（2019）はじめ長編映画を5作、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』を監督。最新写真集に『花、瞬く光』。https://mikaninagawa.com