今、巷で話題のトレンド【クワイエット・ラグジュアリー】ってなに?

2023年の秋冬トレンドに急浮上した【クワイエット・ラグジュアリー】というワードは、その文字が示すように「控えめで」「静かな」、上質なものを指すもの。少し前にはトレンドだった、全面的にブランドロゴを施すようなシグネチャーアイテムが一掃され、デザインや装飾、カラーでさえも控えめになったアイテムが多くを占めています。以前からミニマリズムやノームコアを提唱しているラグジュアリーブランドはあったけれど、その違いとは? そもそもクワイエット・ラグジュアリーというワードが急浮上したきっかけとは?
トレンドの起爆剤となった米ドラマと
お騒がせセレブリティの法廷ファッション
クワイエット・ラグジュアリーというワードが注目を集めるようになったきっかけが、2022年より人気を博しているドラマ『メディア王〜華麗なる一族〜』(原題『Succession』U-NEXTで独占配信中)。ストーリーはスコットランド出身のローガン・ロイがアメリカに渡って築いた巨大メディア帝国の経営者継承をめぐって、子どもたちがバトルを繰り広げるというもの。その劇中で登場するローガンの子どもたちの洗練されたファッションが注目を集め、もれなくクワイエット・ラグジュアリーというワードがホットワードとして巷を賑わせるようになったそう(ファッションラバーたちからの注目度も高く、衣装を独自にリサーチしてまとめてくれているInstagramアカウントがあるほど!)。
ちなみに2010年代に一世を風靡したノームコアとは、圧倒的なクラス感と洗練された雰囲気で差別化されており、時代を超えて愛され続けているようなベーシックなアイテムが多くを占めている模様。
ザ・ロウにロロ・ピアーナ、トム フォードなど、誰もが憧れるブランドばかり。
シーズン4の配信開始時期よりストーリーのみならずファッションにフォーカスされた記事が増えていくなかで、同時期に注目を集めていたのがグウィネス・パルトロウのスキーリゾートで発生した事故を巡って起こされた民事裁判でのファッション。勝訴に終わった裁判は、静かに強さを主張するファッションのおかげだったのかも?
全身プラダで身を包んだグウィネス・パルトロウ。ちなみに、カシミアのニットポロだけで$2,200(日本円だと約¥331,000)。〈モノリス〉シリーズのチェルシーブーツは後に続く法廷でも着用され、グウィネスのお気に入りだというウワサも。
この日はラブコールが絶えないザ・ロウのタートルネックセーターをチョイスしたグウィネス。最後の写真のベルベッドのブレザーとシャツはラルフローレンで、きっちり感を演出。
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クワイエット・ラグジュアリー
海外セレブたちもこぞって取り入れているクワイエット・ラグジュアリー。今シーズンのシンボリックなルックをピックアップして見てみましょう。
マットなブラックやブラウン、マスタードなど、ワントーンでまとめられたルックが目を引くエルメス 2023秋冬コレクション。
デザイナーが代わるタイミングで、クリエイティブチームによって手掛けられたグッチ 2023秋冬コレクション。
コットンやデニム素材に見えるアイテムは、実はレザーで仕立てられているなど、ブランドのヘリテージを感じさせるボッテガ・ヴェネタ 2023秋冬コレクション。
柔らかなカラーパレットが印象的だった、マックスマーラ 2023秋冬コレクション。
弱冠29歳のマクシミリアン・デイヴィスがクリエイティブ・ディレクターを務めるフェラガモ 2023秋冬コレクション。
2024春夏コレクションでも引き続き注目度が高いクワイエット・ラグジュアリー。これを機にワードローブを見直して、とっておきの1着をゲットするのもありかもしれません。
otona MUSE S
EDITOR
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