日本のおにぎりをアメリカで広めたい! シカゴで「Onigiri KORORIN」を開業した日本人のストーリー
順調に進んでいた Onigiri Shuttle KORORIN でしたが、シカゴの極寒シーズンに突入すると、外でおにぎりを渡すスタイルが裏目に……。加えて、ロックダウンが緩和され次第にレストランが再開し、食を提供する競合が増えていくなど、苦しい時期が2年ほど続いたと言います。その間、ケータリングやお弁当スタイルでの提供、Uber Eatsと連携するなど、さまざまなビジネスモデルを試行錯誤した結果、たどり着いた先が卸事業への一本化。
小売業界にはラテン系の経営者が多いため、クリスティーナさんがメキシコ人であることもプラスに働き、現在取引先はスーパーや大学キャンパス内のカフェなど60店舗にまで拡大。しかもそのほとんどが地元の人たちが利用するスーパーで、安定した客層が見込めるであろう、アジア系スーパーではないから驚き! その点について尋ねると、「自分たちが目指すのは、おにぎりをアメリカでメインストリームな食事にすること。そのために、ターゲットはおにぎりに慣れ親しんでいる日本人やアジアの人というよりは、アメリカの現地の人やおにぎりをまだ知らない人たち。そのぶん難しさはあるけれど、あえて挑戦している」と答えてくれました。また、ニューヨークやカリフォルニアは駐在員を含め日本人が多いエリアですが、そうではないシカゴで始めた理由も「あえて難しいエリアで挑戦することで、ここでおにぎりが受け入れられて成功すれば、アメリカ全土に拡大できると思うから」と、勝山さんの強い信念が込められていました。
text : WAKANA SHIBUSA