ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ～。

★クリスマス気分に浸りたい方へ★ 前回の『プラダを着た悪魔』と同様、あたしが疲れたときにヘビロする映画がいくつかございます。そのなかのひとつが『ラブ・アクチュアリー』。クリスマス映画のド定番でございます。 これねー、本当にいろんな思い出がありまして。なかでも公開時の試写のことは忘れないわ……。こんなにクリスマスしてるし、クリスマス直前に観たというのに、日本の公開は翌年2月だったこと！ ぶっちゃけ文句言ったよね、マジで。ここまで素晴らしいクリスマス映画を、オンタイムで公開できないだなんて！ って、プンスカしたことをよ～く覚えております。 スーパー有名作だし、ググればいくらでも情報出てくるのであらすじなどは割愛。で、これがなぜいいかと申しますと、観るときのコンディションによって、推しというか、物語の主人公が変わること。10人以上の群像劇なのに、誰一人として捨てキャラがいなくて、おまけに全員すごいエピソードばかり。誰もが「愛する人々と過ごす日、それがクリスマス」ということを教えてくれる完璧なエピソードをお持ちなのよ。ちなみに今のあたしのコンディションで観たら、いままでそれほどグッとこなかったコリン・ファースのエピソード（ポルトガル人のお手伝いさんに惚れるお話）にグサリ。今まで一度もこのパートには肩入れしてこなかったというのに！（でも、コリン・ファースは好き） あとですね、悪人が一人も出てこないのですよ。この件につきましては、監督の別の作品でインタビューしたときに聞いたの。あなたの映画ってなぜ悪者は出てこないのか、って。そしたらね……「えっと……、映画に悪人って必要？」と。マジ、自分の薄ら汚れちまった心を呪って襟を正したよね！（泣）そのとおりなのよ。悪人必要ない！ だって映画だもん！