【ネタバレ有り】性的少数者の出会いの場だったことも記録。泣いたよね。映画『沼影市民プール』
公営施設の存在意義を問う大傑作ドキュメンタリー
試写でも観たんですが、あまりにもすごい解釈と解像度のよさだったので、劇場でおかわりしました『沼影市民プール』。どこのエリアにもありましたでしょ、その地域に密着した公営の娯楽施設。だいたいそういう施設は高度成長期〜安定期に作られたものだけに、昨今どんどんと老朽化。それを理由に閉業して他の箱物ができたりしてるじゃないですか。ぶっちゃけあたしはそういう流れが超嫌い。だって、地元民から愛されていて、利用者もそれなりに多いのに、別のものになってしまうのは理解できないのよ。同じ大工事をするなら改修するとか、古いものなりにレトロを楽しんでいただくような工夫ができるはずじゃないですかー。そんなこんなのモヤモヤを、この映画の中にも見出してしまったのね。

めちゃ立派だったんですよ、沼影市民プール! 見切れてますが、右には超ロングなウォータースライダーも!
この作品は、最後の49日間に密着しつつ、終業が決まったなりゆきやその後の計画にも着目して、すっごくフェアな目線で「市民プールってそもそもどういうところだっけ」ということをつまびらかにしているの。なんせすごいのは、取材の密着度ね。そこに足繁く通っている一般のお客さんはもちろん、長年務めているスタッフなどなど、沼影市民プールを愛してやまない人たちからの聞き取りはもちろん、ある一定の常連さんにも目を向けたこと。
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。
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